西海学園(長崎)が2度の延長の末、呉港(広島)を振り切った。

8点リードで迎えた第4Qで追いつかれ5分間の延長戦に突入。残り1分6秒で83-90と7点差をつけられ万事休すかと思われたが、ここから怒濤(どとう)の追い上げ。タイムアウトの際には負けると思い泣きだす選手もいたが、ガードの南川雅斗主将、フォワードの徳永将大が「まだ時間がある」と選手たちを鼓舞。残り52秒に南川の3点シュートで4点差。残り35秒で徳永が決め2点差に迫ると、残り6秒で再び徳永が決めて90-90と追いついた。

2度目の延長では、両足の全体がつって交代を繰り返していたフォワード小田代天(3年)が3点シュートを決めるなど、呉港を一気に突き放し、勝利をもぎ取った。

190センチを超す留学生とゴー下で激しく競り、両足をつっていた小田代は「全力走ったら動けなくなるので、自分が貢献できるのは3ポイントしかなかった」と振り返った。就任38年目の鍛冶和彦監督(68)は「最初のオーバータイムで7点差がついたときは負けたと思ったが、キャプテンがみんなを励ましてやってくれた。インターハイも1回戦で延長をやって、選手たちもあきらめない気持ちが勝利につながったと思う」と選手の頑張りに感激しきりだった。

◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は28日正午からBS朝日でともに生放送。