桜花学園(愛知)が決勝初進出の京都精華学園を61-57で下し、3大会連続24度目の優勝を飾った。エースセンターの朝比奈あずさ主将(3年)を中心に相手の長身の留学生コンビを抑え、ロースコアの展開に持ち込み競り勝った。井上真一監督(75)にとっては70度目の全国制覇となった。

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同点に追い付かれた第4クオーター(Q)の序盤、桜花学園のエースの朝比奈にスイッチが入った。2人の強力な留学生の対応に体力を消耗していたが、積極的にシュートを放ち、わずか2分で6得点。一気に7点差まで広げた。主将の頑張りがチームを盛り上げ、4点差で逃げ切った。

「最後の大会なので勝つしかない。キャプテンとして攻めてやろうと思いました」と朝比奈は言った。優勝が決まると大粒の涙をこぼし、その後、仲間たちと全国70勝目の井上監督を3回胴上げ。高校総体に続く3連覇で21年を締めくくった。

優勝した高校総体準決勝で、京都精華学園を3点差で破ったが、そのとき号泣したのが朝比奈だった。留学生を抑えられず、悔し涙を流した。今年のチームは185センチの朝比奈が最長身。1人でセンターを担う主将は、その責任を負うため、自分より体の大きい相手の守備に取り組んだ。

OGで東京五輪で銀メダルを獲得した日本代表の主将・高田真希(デンソー)のプレーに刺激を受け、直接指導も仰いだ。この日はともに身長188センチの留学生2人が交互に出場して混乱を図ってきたが、その上をいった。高いポジションに動いて留学生をゴール下から引っ張りだすなど頭脳的なプレーも見せ、留学生の得点、リバウンドを最小限に抑え込んだ。

長門明日香アシスタントコーチは朝比奈について「今年のチームをまとめ上げ、チームのコミュニケーションを取りながら自分のパフォーマンスも上げていった。こんなにできるものかと感心させられた」と話した。女王桜花学園の強さの裏に名キャプテンあり-。日本代表の高田を追いかけてきた朝比奈は、高田と同じように世界と戦う新たな舞台に向かう。【桝田朗】

◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系地上波で生放送。