体操の徳洲会が6日に新年の初練習を行い、国際舞台での活躍が期待される選手が顔をそろえた。

3選手が22年のテーマを色紙に書く中、東京五輪に19歳で出場した北園丈琉は「世界選手権 個人総合 団体 優勝」を力強い筆致で掲げた。

「(東京五輪の団体戦は銀で)何としてもリベンジしたい。悔しさは東京五輪を経験した僕たちにか分からない」と強い決意をみせた。現在は新ルールへの対応の他、「決めきらないといけないところで、しっかり出す」ことを課題に励んでいる。

昨年10月に故郷の福岡県で開催された世界選手権の跳馬で銀メダルを獲得した米倉英信(24)は「在る」と書いた。パリ五輪へはスペシャリストの代表枠が少なくなる方向で、存在意義を模索する。

1つの結論は自分だけにしか出来ない新技。すでに名が付く「ヨネクラ」(横向きに跳馬に着手し、伸身姿勢で宙返りをする間に3回転半ひねる)を操るが、いま取り組むのはもう半回転加えた4回転のひねり技で、仮の名前は「ヨネクラーハーフ」。もはや人間業とは思えない大技に、本人も「未知の領域。人間やめるくらいじゃないとできない。人間やめます(笑い)」と存在証明をかけて挑む。

「『おなか周りのお肉も正月太りとは無縁だった』と書いておいて下さい」と記者に無邪気にお願いしたが、確かにトレードマーク? のおなか周りの少しのポッチャリ感に、ちょい増しはなし。これも新年にかける覚悟か。「体操選手としての在り方を見つめ直す時期」と並々ならぬ決意を感じさせていた。

主将を務める武田一志(29)は大ベテランの域に差しかかる。「世界選手権団体金 つり輪メダル」。色紙には初出場にかける思いと、米倉同様に「存在意義」と話すつり輪での躍進が掲げられた。日本選手が苦手にする力が求められる種目で、アピールしていく。「うまくパイプ、まとめ役となって進んでいきたい」とチームを一丸にしながら、個人でも日の丸を目指す。