フィギュアスケート女子で北京五輪代表の樋口新葉(21=明大)が、「2種類のアクセル」に挑む覚悟をみせた。

11日、都内で練習を公開。今季、試合で成功させているトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)について、ショートプログラム(SP)とフリーで1本ずつ組み込む意志を示し、「フリーとはコースが全然違うので、そこは直した方が良いのか、そのまま違う跳び方でも跳べるということを練習するのか迷ってる部分でもあるんですけど」と現状を説明。続けて「とにかくいろんな跳び方でも跳べれば、五輪はなにもかかってないので、その跳び方でも挑戦する意味があるのかな」と決意をのぞかせた。

何かがかかっていた大会は昨年末の全日本選手権だった。18年平昌五輪の選考会だった17年末大会では、SPで冒頭のアクセルをミスし、五輪出場権を逃した。経験を踏まえ、悲願の五輪を目指して、SPでは2回転半に回転数を落としたのが昨年大会だった。

5年前、悔しさを「倍返ししたい」と誓った思いは、五輪出場権をつかんだことで「その気持ちは終わった。いまは違う目標がある」という。その1つが成長の証しである「アクセル2本」。

今月2日には21歳の誕生日を迎えた。「いつもお正月と誕生日の『おめでとう』が一緒ですが、今回は全日本と五輪出場の『おめでとう』もあったのか、いつもより多かった。どの『おめでとう』か分からない」と喜んだ。友人で競泳の東京五輪代表の池江璃花子からは祝福とともに「スタバ(スターバックス)のチケットはみんなからもらってると思うから、サーティーワンを食べてね」と誕生日プレゼントが届いたそう。

周囲の応援も背に、残り期間で仕上げていく。