先輩からのエールを胸に仲間を支えた。全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)に出場した秋田北は6日、初戦の2回戦で八女学院(福岡)に1-2で逆転負け。2年ぶりの初戦突破を逃した。3年の長沢早紀は、「バレーボールを春高まで続けられたのは、絶対に自分1人の力ではなかった。先生も親もメンバーも、全員に感謝の気持ちでいっぱいです」と心から感謝を伝えた。

長沢は、昨年8月に行われたミニ国体の秋田代表に選出。大会前の山形遠征で、15年に卒業した先輩で、Vリーグ2部のアランマーレ山形・菅原里奈(24)と話をする機会があった。「その時までは、菅原さんと直接お話しすることはなかったですが『高校のバレーを楽しんで頑張ってね』と言っていただいて…。気さくに話をしてくれました」と振り返った。菅原も「ミニ国体の時に秋田代表と練習試合をしました。(母校の)秋田北の選手が1人いて、その選手と少し話をしました」と覚えており、春高開幕前に本紙東北6県版で秋田北への応援メッセージを掲載した。

Vリーグで活躍する先輩の言葉は絶大だった。「頑張ろうと思いましたし、北高の先輩ということで自分もこういうプレーがしたいとか、こういう選手になりたいと思いました」。負ければ即引退。絶対に負けられない一戦はフルセットまでもつれた。強気でプレーしながら、仲間が苦しい時には声をかけ、得点が決まれば笑顔で喜んだ。「試合前から、点が決まった時は全員で喜ぼうとか、盛り上がろうと話していました。そういうところで雰囲気を上げていこう」と、士気を高め続けたが1勝には届かず。最上級生として戦う姿勢を貫いてコートを後にした。

長沢 高校3年間では、自分を追い込む姿勢や、仲間のために頑張ることを学びました。苦しい場面が今後あったとしても高校生活を振り返って、また自分の力にしていきたいと思います。

貴重な経験を糧に今後も成長していく。【相沢孔志】