前日15日にトンガ沖で起きた海底火山の大規模噴火を受け、多くのトンガ出身選手がプレーする日本ラグビー界も心配し、思いをはせた。

日本代表でトヨタヴェルブリッツのフランカー姫野和樹(27)は試合後の会見で「本当にトンガの選手は、ラグビーをやっている友達で多いし、チームメートもたくさんいる。(昨季在籍したニュージーランドの)ハイランダーズの選手たちもたくさんいる。ただただ心配です。僕たち(日本)の被災の時は、トンガからのサポートもあった。こういった恩を、何倍にでもして返したい」と丁寧に言葉を紡いだ。

東京サントリーサンゴリアスでも、トンガで育った日本代表NO8テビタ・タタフ(26)が途中出場で勝利に貢献した。同僚のプロップ石原慎太郎(31)は「テビ(愛称)が家族と連絡を取れないというのは聞いていた。本人がそんなそぶりを見せずに、試合にフォーカスしてくれた。試合が終わった後に一言『家族の無事を祈っている』と声をかけました」と明かした。

この日の入場時にはファンがトンガ国旗を胸元に掲げ、小旗を振る人もいた。試合後時点で家族と連絡が取れていないという、トンガ出身のトヨタNO8フェツアニ・ラウタイミ(29)は「今日の試合でファンの皆さんがトンガのフラッグでサポートしてくれて、うれしかったです」。立場に関係なく、多くの人が無事を願っている。【松本航】