三浦佳生(16=東京・目黒日大高)が、国際スケート連盟(ISU)公認大会で自己ベストとなる88・37点をマークした。

冒頭は4回転サルコー-2回転トーループ。セカンドジャンプが2回転になったことを悔やみつつ、しかし伸びしろを残し、その後のトリプルアクセル(3回転半)と最後の4回転トーループは美しく決めて3位で発進した。

演技後はうなずいて笑顔を見せ、得点が出た後もまずまずの表情。「ホッとしています。ISUのチャンピオンシップということで緊張して、生まれたての子鹿のような脚になっちゃったんですけど、やってきたことは間違ってなかったのかな」と笑顔を見せた。

心臓バクバクだったといい、子鹿のようになってしまった影響か、ステップシークエンスは評価がレベル2と伸びなかった。「足がついちゃったり、必要な組み替えができなかったり(シニアでの評価も)まだまだなんだな」と大人たちの中で痛感したが「取りこぼしはあったけど、初のチャンピオンシップで堂々と自分の演技は見せられた。満足してます!」。そして冷静に「この、わずかなポイントの差で負けてしまうことがあるかもしれない。修正していきたい」と貴重な経験を積んだ。

今季のシニア国際大会としては、グランプリ(GP)シリーズNHK杯(11月)に続く2戦目となった。「NHK杯の時は、世界に自分をアピールすることを目標にしていました」と燃えていた。「今回は順位とか目標設定してないんです」と穏やかだったが「やっぱり世界に自分を見つけるチャンス。ただ、出し過ぎると暴れてしまうので(笑い)。まずは、できることを。いい加減、で頑張っていきます」と今大会の心境を説明した。

代表に内定し、表彰台を目指す世界ジュニア選手権(3月、ソフィア)に向けても大きな収穫。「世界ジュニアの前に、こういう大会経験することは有利。同じ欧州だし、時差もそうだし、日本とは違うところがある。ご飯、嫌いなものばかり出ることもあるので食品を持ち込んだり」とリンク外でも発見の多い遠征となっているようだ。

昨年末の全日本選手権は4位。来月の北京オリンピック(五輪)に出場する羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真に次ぐ成績でインパクトを残した。「4位は、まさか。恥じないように頑張らなきゃいけないな」。身が引き締まる思いだったが、一方でまだまだ奔放な高校1年生だ。「お正月は、お餅を食べ過ぎちゃって…。お腹がポコッとなっちゃいました」と笑いながら「その後は曲かけをたくさんしたり、新横浜の公園を走ったり、何とか戻さないといけないなと。おかげで、戻す以上の究極体となった気がします」と明るかった。

フリーでは、習得中の大技4回転ループに挑む。「ループ込みで4回転4本。全日本選手権でもチャレンジして、割と惜しい形でしたし、試合でチャレンジすることに意味がある」。臆することなく4大陸の上位を狙っていく。【木下淳】