競泳女子で、16年リオデジャネイロ五輪代表の清水咲子氏(29)が、4月から母校である日体大水泳部の競泳ブロック監督に就任することが25日、分かった。

五輪2大会連続2冠の北島康介氏らも在籍した名門を指導する。日本競泳界は男性指導者が主流で、20代の女性監督は非常に珍しい。

清水氏は、400メートル個人メドレーの元日本記録保持者で、16年リオ五輪で8位入賞。昨年4月の日本選手権で東京五輪を逃して、現役を引退した。同五輪2冠の大橋悠依ら選手からの人望が厚く、また4泳法を泳ぐ個人メドレーが主戦場だっただけに指導者として、うってつけの存在だ。

清水氏は監督就任と同時に日体大大学院に進学。専攻は体育科学研究科コーチング学だ。清水氏は「もちろん選手として水泳を速くさせるのも大切です。しかし、それだけではなく、それ以外にも水泳が教えてくれることがあるというのを私が教える学生たちが学んでくれたら私も幸せですし、それが私のやりたいことです」と抱負を述べた。

日本オリンピック委員会はジェンダー平等を推進しているが、女性指導者はまだまだ少ない。清水氏が競泳ニッポンに新しい風を吹かせることが期待される。

 

◆清水咲子(しみず・さきこ)1992年(平4)4月20日、栃木県生まれ。作新学院高-日体大-ミキハウス。本職は400メートル個人メドレー。14年日本選手権初優勝。16年リオデジャネイロ五輪は準決勝で日本新の4分34秒66をマーク。決勝に進出して8位入賞。17年世界選手権は5位に入った。21年4月の日本選手権をもって現役を引退。