女子で16歳がシニア初Vに輝いた。斎藤優(下川商高1年)が合計197・8点で逆転優勝した。1回目84メートルで2位。2回目はK点の90メートルをマークして制した。高梨沙羅らワールドカップ(W杯)メンバー不在とは言え、シニア相手に初の頂点に立ち、涙を浮かべて「高校1年生で優勝できると思わなかったのですごいうれしかったです」と喜んだ。

東京・世田谷区出身で中学から下川町に留学した異色のジャンパーだ。小学3年時にW杯をテレビで見て競技に興味を持ったのがきっかけだった。15年1月の宮の森での女子W杯札幌大会に足を運び、初めて生観戦。同試合で優勝した高梨沙羅との初対面を果たし、競技を始めた。下川中入学までは長野・飯山まで毎週末、父晃さんが運転する車で片道2時間半をかけて通い練習していた。当時高梨からプレゼントされたサイン入り手袋は宝物。あこがれの存在との思い出があふれる地での優勝に、感慨にふけった。

高梨の背中を追う。北京オリンピック(五輪)後の復帰戦となった2日のW杯リレハンメル大会で優勝した姿に「かっこいい。さすがだなって思った」と感動。助走姿勢の低さや飛び出しを参考にしている。将来は自身も世界と戦う選手に成長するのが目標。「(30年に)札幌五輪がもし開催されることになれば、日本で行われるのでいい成績を残して金メダルを取れるように頑張りたい」。夢に近づくための1歩となった。【保坂果那】