元世界女王で、18年大会優勝、世界ランキング78位の大坂なおみ(24=フリー)が、苦しみながらも全米女王対決を制した。強風で打点が定まらない中、17年全米優勝で同38位のスローン・スティーブンス(米国)に、3-6、6-1、6-2のフルセットの逆転で勝ち上がった。大坂は、1月の全豪3回戦以来の試合を勝利で飾った。2回戦で、ロシア国籍の同24位のクデルメトワと対戦する。

強風で、試合はぐちゃぐちゃだった。サーブを打つために上げるトスは乱れ、打った球は、失速、加速、カーブを繰り返した。対戦相手よりも、「こんなに強い風でプレーしたことはあまりなかった」ため、この強風に、どのように対処するかが、真っ先の課題だった。

打点が定まらないと、体の軸も乱れる。うまく力が伝わらず、簡単なミスが続出した。「自分の人生と闘っているような感じだった」。大坂は相手より多い43本の凡ミスを犯したが、決定打は倍以上の24本をたたき出し、「相手も同じコンディションだと思って頑張った」と、何とか押し切った形だ。

今大会は、18年6月の英バーミンガムの大会以来、3年9カ月ぶりにノーソードでの出場となった。シード選手なら、2回戦からの登場となり、調整の時間が持てる。しかし、ノーシードだと、この日のように1回戦からで、試合数は増える。

相手は、2週前に、4年ぶりにツアー優勝。自信を持って挑んできただけに「(そういう相手と対戦することは)いいテストになった。ただ、もっと試合数が必要」と、勝ち星を積み重ねるつもりだ。姉のまりさんが見守る中、まずは1勝をプレゼント。強風に「今度の試合は、もうちょっといいコンディションでやりたい」と笑顔を見せた。