東京オリンピック(五輪)金メダルの阿部一二三(24=パーク24)と、世界選手権2連覇の丸山城志郎(28=ミキハウス)による再戦が約1年4カ月ぶりに実現し、阿部が再び勝った。

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決勝戦。ゴールデンスコア(延長戦)の末、指導3つを奪っての反則勝ちを収めた。

20年12月、東京五輪代表の座を争う日本柔道初のワンマッチによる決定戦で対戦して以来。当時は24分間もの死闘の末、阿部が接戦を制した。この日は6分38秒で試合が決まった。

阿部が東京五輪で金メダルをつかみ、一方の丸山も昨年6月の世界選手権(ブダペスト)でV2。世界王者同士として再び畳の上で相まみえ、勝った瞬間、ほえて喜んだ。

阿部「自分がオリンピック・チャンピオンと証明できて良かった。やはり強い選手でしたけど、絶対に負けられない気持ちでした。今回の大会は五輪後の初戦だったんですけど、一本を取りに行く、ガツガツいく柔道ができた。パリ五輪まで全部、勝ちたい」

阿部は1回戦で新井雄士(22=皇宮警察)に右一本背負いで一本勝ち。準決勝では内村光暉(24=自衛隊)を圧倒し、指導3による反則勝ちで決勝に駒を進めた。

丸山は1回戦で武岡毅(22=パーク24)を反則勝ちで退けると、準決勝で新鋭の田中龍馬(20=筑波大)の挑戦を受けた。昨秋のグランドスラム(GS)パリ大会を制した若手に苦戦したが、6分49秒、ゴールデンスコア(延長)で内股一閃(いっせん)。鋭く1回転させ、技ありを奪った。一足先に勝っていた阿部が待つファイナルへ駒を進めていた。【木下淳】