スピードスケート女子で18年平昌オリンピック(五輪)500メートル金メダリストの小平奈緒(35=相沢病院)が現役引退を表明した。12日に長野県内で会見を行い、「私、小平奈緒は今年10月の全日本距離別選手権の500メートルを競技人生のラストレースとすることを決意しましたことをご報告させていただきます」と緊張の面持ちで述べた。

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トップスケーターとして長く活躍してきた。10年バンクーバー五輪で女子団体追い抜きで銀メダル、18年平昌五輪では500メートルを制し、日本女子初の金メダリストに輝いた。2月の北京五輪では直前の右足首捻挫の影響で、500、1000メートルともに入賞を逃していた。

会見では長くライバル関係を築いてきた李相花(イ・サンファ)さん(韓国)についても聞かれた。10年バンクーバー、14年ソチで女子500メートルを2連覇し「女帝」と呼ばれた親友は、18年平昌では小平と競い合い、互いをたたえあう姿が感動を呼んだ。

北京五輪では先に引退していた李さんが、会場から応援していた。500メートルで2連覇を逃す姿に「チャンピオンとしてのプレッシャーに耐えるのは本当に大変なことです。北京五輪に挑戦するという精神だけで拍手を送ってあげたかった」と涙でたたえる姿もあった。

そんな北京を振り返りながら、「サンファにはまだ伝えてませんが、サンファ自体は奈緒は北京で終わりにすると思っていたと思うので」と説明した。「メールやメッセージで伝えることではないかなと。会えた時にそういう話ができたらいいのかなと思ってます」。競技生活を続けながら育んできた友情は、これからも続いていく。