フィギュアスケートで北京五輪(オリンピック)男子と団体銅メダル、世界選手権初優勝を飾った宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が26日、愛知・豊田市の「スポーツ栄誉賞」を受賞した。

所属するトヨタ自動車の本社や、練習拠点の1つである中京大のリンクがある同市の魅力を「『ここが素晴らしいところだよ』と細かいことを皆さんにお勧めすることはできませんけれど」と前置きした上で「僕が競技をやっていく上でこれ以上ない、いい環境で滑らせていただいています」と素直な思いを明かした。

主な一問一答は以下の通り。

-賞を受け取って

「この場所に何度か、これまでも足を運ばせてもらった。今までの中で一番うれしい気持ち、そして、堂々とした気持ちでここに立っているかなと思います」

-オフはシーズン中にできない挑戦を

「競技の話になるんですけれど、今季は4回転(ジャンプ)を5本、フリーで入れることが最初の課題でした。最初はできると思っていませんでしたが、1年で何とかできるものになった。来季も今季と同じ難易度のプログラムではなく、また挑戦となるようなプログラムで試合に挑みたいと思っています。挑戦し続けている時が一番成長すると思うので、もっともっと上を目指していきたいと思っています」

-オフも考えるのはフィギュアのこと

「もちろんゲームも大好きですし、やらないわけではないですけれど、スケートに対しての思いが、これまで以上に深くなるシーズンでした。来季も同じ気持ちで、試合に挑んでいけたらと思っています」

-愛犬の「Emmaちゃん」とも遊べる

「なかなか家に帰ることが少なかったんですけれど、このシーズンオフは割と日本にいるので、ちゃんと顔を忘れられないようにしたいと思っています」

-豊田市スポーツ栄誉賞は平昌五輪銀メダルを獲得した18年以来、4年ぶり

「4年前と考えは大きな変化がないかもしれないですけれど(当時は)失敗をあまり知らなかった。その時なりの失敗はしていたけれど、ただただ上を見て、ただただ走り続けていた。こうやっていろいろな失敗とかも経験した上で、ここに戻ってこられたのは、今後が安心というか…。失敗していないものをやり続けるのは『次、失敗したらどうしよう』と不安を持ちながら試合に臨む。1度失敗して、再び同じ場所に戻ってこられたのは、少し安心感があります」

-豊田の好きなところ

「トヨタの本社だったり、中京大学のスケートリンクで練習する以外は、ほとんど、この場にいない。『ここが素晴らしいところだよ』と細かいことを、皆さんにお勧めすることはできませんけれど、本当に僕が競技をやっていく上で、これ以上ない、いい環境で滑らせていただいています。世界各国で滑った経験がありますが、豊田市の中京大学のスケートリンクほど、充実した練習場所は他に絶対ないと思っています。本当に感謝しています」

【松本航】