リーグ屈指のスター選手が“移籍市場”に流れ、国内バスケットボールファンが騒然としている。

バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の島根スサノオマジックは先月30日、昨季MVPで今季クラブに加入した金丸晃輔(33)との契約解除を発表。「双方合意」の上であると説明した。同日午後、東京オリンピック(五輪)日本代表でもあった金丸の名前が、自由交渉選手リストに公示された。

複数の関係者の話を総合すると、金丸が持っていたオプション(来季の契約を交わすか否かを決める選択権)を行使しなかったとみられる。

その理由としては、チーム戦術と金丸のプレースタイルがマッチしなかったことが大きい。攻守の切り替えの速さを掲げた今季の島根は、個の突破力も武器に快進撃を続けてきた。その一方で、外角シュートを得意とする金丸の持ち味が、十分に生かされない場面も多々あった。ある代理人は、3月ごろには金丸が島根から離れる可能性があるとのうわさを耳にしたとも明かす。

大型補強の目玉として今季島根に移籍した金丸は、熱狂的なファンの熱く温かい声援を受け続けてきた。だからこそ本人も、残留すべきか悩んだことは間違いないが、最終的には新天地を探すことを決断した。

大の釣り好きとしても知られる金丸。各チームのファンは「契約解除」の発表直後から、「うちの地方にはこんな釣りスポットがある」とSNSでアピール合戦を繰り広げている。

金丸に近い関係者によれば、移籍先に関して本人はまだ結論を出していないという。そして島根のクラブ関係者も「まだ扉を閉ざしたわけではない」と表現し、金丸と引き続き交渉を継続する意思があることを示す。

Bリーグの島田慎二チェアマンは昨年、具体名は避けつつも「日本人の1億円プレーヤーは5、6人いる」と発言。その中の1人に金丸が含まれていることは濃厚だ。

Bリーグのシーズンは終わったところだが、“夏のストーブリーグ”はこれからさらに熱くなる。