大吉賢(23=了徳寺大職)が銀メダルを獲得した。

決勝に進出し、昨夏の東京オリンピック(五輪)銀メダリストと対戦。地元ジョージアのラシャ・シャフダトゥアシビリにゴールデンスコア(延長戦)の末、合わせ一本で屈した。

頂上決戦では、開始1分20秒過ぎに足技で技ありを奪われた。追う展開の中、残り7秒で仕掛けた起死回生の巴投げで技ありを奪い返す。執念で延長戦に持ち込んだが、その31秒、出足払いを食らった。技あり。完全アウェーの会場で、合わせ技で力尽きた。

相手は、東京五輪の決勝で大野将平(30=旭化成)に9分26秒の死闘の末、敗れた世界トップクラスの実力者だった。12年ロンドンで金、16年リオデジャネイロで銅、そして21年の東京で3大会連続の表彰台。その難敵に粘りは見せたが、最後は悔しそうに天を仰いだ。

大吉は昨年11月のGSバクー(アゼルバイジャン)に続く、国際大会2戦連続の銀メダル。先月の全日本強化選手選考会(東京・講道館)では全4試合で一本勝ちし、今大会の派遣を勝ち取った。

この階級は五輪2連覇の大野、元世界王者の橋本壮市(30=パーク24)が君臨する。選考会で「トップの選手たちに食らいついて、目標は(24年パリ)五輪と口に出せるように頑張りたい」と話していた23歳が、世界との差と手応えをどちらも味わった。【木下淳】