新星で14歳の山口幸空(米田功ク)が、平均台が13・633点、床運動が13・833点で2冠に輝いた。世界選手権や五輪の代表は、国際規則で16歳から出場できる。14歳の山口は、10月開幕の世界選手権の代表入りの権利はないが、お姉さん選手を押しのけての2冠に「自分のいいところを出せた」と、か細い声で喜んだ。

関係者が、「最も期待できる選手」と、まず最初に名前を挙げるのが山口だ。経験が足りず、安定しないのが大きな課題だったが、今大会で、一気に花開いた。パリ五輪時には、16歳になるため、出場が可能となるパリの星だ。

ジュニアでは優勝経験があるが、大人の一般の大会では、今大会が初優勝。5月のNHK杯でも、同じ2種目で1位だったが、同大会は個人総合を争う大会だったために、優勝はお預けだった。「少しパリに近づいた気がする」。天才少女が、いよいよその才能を発揮する時が来た。