日本(世界ランキング38位)のベスト4進出はならなかったが、東京五輪銅メダルのオーストラリア(同3位)相手に見せ場を作った。

とりわけ光ったのが21歳の新星、富永啓生(米ネブラスカ大)の存在だ。今月1日のW杯アジア1次予選でもオーストラリアからチーム最多18得点を挙げたが、この日はさらに存在感を示して33得点をマークした。

第4Q終盤にはセンターサークル付近から放つ“ロゴスリー”を決めるなど、8本の外角シュートを成功。「今日は打ったら入るという感覚があった。自分の役割をこなせた」。スピードを生かしてゴール下に切れ込むなど、ドライブでの得点も効果的だった。

19日のフィリピン戦では無得点。「シュートタッチが合わず、チームを助けられなかったのが本当に悔しかった」。その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのようにコートで躍動した。

奮闘及ばずチームは敗戦。「負けたのは悔しい」とまず口にしつつも、「最後まであきらめずに戦い抜け、自分たちの自信につながった。1カ月半チームメートとやってきて成長できた。最後までみんなとバスケをできたことは誇り。楽しかった」。

昨夏の東京オリンピック(五輪)には3人制バスケで日本代表として出場した。NBA入りの期待もかかる逸材は、5人制日本代表として得た自信と経験を胸に、さらなる飛躍を期す。