21年全日本選手権8位の山本草太(22=中京大)が、首位発進でシーズンへ大きな手応えをつかんだ。

昨季から継続の「イエスタデイ」を演じ、冒頭で高さのある4回転-3回転の連続トーループを成功。4回転サルコー、トリプルアクセル(3回転半)と着氷させ、95・15点をたたき出した。直前の6分間練習からジャンプは好調で「緊張はあったけれど、体の感覚が良かった。4回転2本にして、海外で戦っていけるような構成を組んだ。調子自体もすごくいいと思っているので、力をしっかり出し切りたいです」と充実した表情で振り返った。

14年ジュニアグランプリファイナル2位など、若くして世界トップレベルの争いを期待されてきたが、故障や拠点の変更など、腰を据えて強化するオフを長らく過ごせていなかった。その中で昨季から今季にかけては「トレーニングをしっかり積めた。毎日積めると痛いところも出てくるけれど、痛いところが出てからも『この体でどこまでが限界なんだろう?』とギリギリのラインを探しながら練習ができた。どこまでやれるかを、自分で把握できるようになってきました」と強固な土台を作れている自信がある。

すでに練習で4回転フリップも着氷。13日のフリーは4回転2種3本でサルコー1本、トーループ2本の予定だが「フリーでフリップも入れて、チャレンジする機会があればいい」と現状に満足する様子はない。

まずは2日後のフリーで、爪痕を残す。【松本航】