4月の世界ジュニア選手権で優勝した米国の17歳イリア・マリニンが、前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ=4A)に世界で初めて成功した。

フリー冒頭で挑戦。緩やかな助走から前向きに鋭く踏み切ると、しっかりと右足で着氷した。演技後は笑顔で、得点を待つ間にガッツポーズ。公式記録のジャッジスコアには、基礎点12・50の明記に続いて、ジャンプの成功を意味する「GOE(出来栄え点)プラス」の1・00点が加点された。

1988年の4回転ジャンプ初成功から34年で全6種がコンプリートされた。各4回転ジャンプの初成功年と選手は以下の通り。

<4回転トーループ>

1988年=カート・ブラウニング(カナダ)

<4回転サルコー>

1998年=ティモシー・ゲーブル(米国)

<4回転ルッツ>

2011年=ブランドン・ムロズ(米国)

<4回転フリップ>

2016年=宇野昌磨

<4回転ループ>

2016年=羽生結弦

<4回転半>

2022年=イリア・マリニン(米国)

これで5回転ジャンプ時代に突入していくのか。5回転は、まだ基礎点すら設定されていない未知の領域となっている。【木下淳】