何度でも勝利の喜びを-。Wリーグ・アランマーレ秋田が今日22日、秋田・横手市雄物川体育館での山梨戦で2年目の開幕を迎える。

19年9月からチームに携わる小嶋裕二三ヘッドコーチ(HC、55)は飛躍を期す今季の思い、意気込みを力強く語った。

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指導者歴30年以上の小嶋HCが、チームの土台を固めながら目標達成に向け最善を尽くす。昨季は2勝22敗の12位で、今季は上位8チームが臨むPO進出が目標。最低でも2桁勝利が必要となり、そのためには得点力アップが鍵となる。昨季8位でPO出場の日立ハイテクの平均得点は71得点で、アランマーレ秋田はリーグ最下位の55・8得点。フィールドゴールの成功率はワースト2位だった。チーム得点王の砂川夏輝(27)は今季、アイシンに移籍。新加入のニアン・ンディ・クンバ(23)や3点シュート(3P)成功率5位の小沢彩佳(27)らの活躍に期待がかかる。

小嶋HC (コートの)5人がどれだけ機能的に動けるかが大事。55点にあと15点、上乗せしないといけないが、誰か1人ではかなり厳しい。チーム全体で上乗せできるよう、ガード陣は自分で点を取り、味方に得点を取らせるようお膳立てしないといけない。

強くなるための環境が整った。2月、運営母体のプレステージ・インターナショナル敷地内に体育館が完成。選手は朝晩の自主練習が可能となり、シュートなどの精度を高めてきた。

小嶋HC 昨季頑張ってくれた小沢はシュートが高いレベルで安定し、佐藤(千裕)も打ち込みの成果が出てきた。河瀬(ひとみ)は去年から(3P)を初めて打ち始めた選手。昨季は練習時間が限られ、自分が満足するまで打ち込めなかったが、もう少し打ち込めば形になってくる。

平均身長は昨季から約2センチ上がり、170・8センチとなったが「リーグの中ではまだまだ小さい。昨季より大きくなった優位性は感じていない」。昨季同様、運動量や機動力、3P、リバウンドに複数人が絡むプレーが戦う上で軸になる。

小嶋HC 大きい選手はリバウンドを取られないように相手の大きい選手を徹底して止める。小さい選手が中に飛び込んで(リバウンドを)取ることは去年以上の形ができてきた。平松(飛鳥)は判断が良く、試合で一番多くディフェンスリバウンドを取ることもある。他の選手も頑張ってほしい。

昨季からは勝利だけでなく、得点、失点といった多方面での数字の改善が望まれる。高いレベルへと-。強気な言葉と姿勢でチームを1つにする。

小嶋HC 目標を達成する可能性は0ではなく、我々次第で1や2、10にもできる。リーグ開幕後も全員が同じ方向に進めるかで、かなり化ける気はする。1人1人が高い意識や意欲を持って、攻守の役割分担を徹底できれば、かなりおもしろくなる。

揺るがない目的地へ-。今日、秋田から船出する。【相沢孔志】

◆小嶋裕二三(こじま・ひろふみ)1967年(昭42)7月23日生まれ、横浜市出身。中和田南小-泉が丘中-松陽-青学大。91年にNECコーチを務め指導者に。98~00年、女子日本代表アシスタントコーチ。98年、アジア大会金メダル。99~00年、鷺宮製作所コーチ。00~08年、山形銀行ヘッドコーチ。06年、兵庫国体優勝。08年、デンソー・コーチに就任し、10~19年まで同ヘッドコーチ。19年9月、アランマーレ秋田ヘッドコーチ代行を務め、20年4月、アランマーレ秋田ヘッドコーチ就任。