10歳の吉野咲太朗(さくたろう、西武東伏見FSC)が3回転ジャンプを着氷させ、ノービスB(6月30日時点で満9~10歳)で初優勝を果たした。75・18点を記録し、2位に8・14点差をつけた。

ジャンプに安定感があった。冒頭のダブルアクセル(2回転半)を決めると、3回転サルコーも着氷させ、勢いに乗った。中盤ではフリップ-トーループ-ループの3連続2回転ジャンプにも成功。米歌手マイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」に合わせてさっそうと滑りきると、会場からは大きな拍手が送られた。

75・18点は「自己最高」だったという。得点を知ると「よっしゃ!」と渾身(こんしん)のガッツポーズを繰り出した。「点数が出た瞬間にお客さんが盛り上がっていて、『何点だったんだろう』と思ったら、75点と高い点数が出たので、僕にとってはすごくうれしかったです」と笑顔で振り返った。

昨年はノービスBで1年目ながら、同選手権で3位。今年は優勝を目標に定めていた。「昨年は最初から優勝を目指せなかったんですが、今年は優勝を狙いました。このチャンスを逃せないので、全部やりきって優勝できたことはうれしいです」。狙い通り、頂点を極めた。

将来の夢は五輪で金メダルを取ることだ。「もっと技を増やしたり、スケーティングを強化したりして、スケートがうまくなっていければいいと思います」。

夢を実現させるため、これから何度も自己最高を塗り替える。【藤塚大輔】