14年ソチ、18年平昌五輪2連覇王者で、今年7月にプロ転向した羽生結弦さん(27)が夢の1歩を踏み出した。

異例のワンマンとなる初めてのアイスショーが初日を迎え、代名詞の「SEIEMI」や新曲「いつか終わる夢」など8曲を披露。約90分間に半生を込め「フィギュアスケートの限界を超えていきたい」と新境地を切り開いた。公演は5日も同所で。12月2、3、5日は青森・八戸市のフラット八戸で上演する。

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プロスケーター初演直後の羽生さんに聞く

-振り返って

「7月にプロ転向の会見をしてから会場(確保)を含め、全ての企画がスタートした。かなり時間がない中、ここまで来られただけで感謝の思いでいっぱい。皆さんの充実した表情や反応を見て、ある意味、成功したんじゃないかと思う」

-演出は自身で

「会見があり、ちょっと過去に戻り、平昌五輪があり、また今までの人生を振り返り、最終的に北京五輪のエキシビションがあり、今、現在に至る、みたいな感じの構成にしたかった」

-演技中の感情は競技会とは違ったものだったか

「『SEIMEI』は平昌五輪を思い出しながら。4分7秒、ジャンプの本数も(試合の7回から5回に)少なくしたけど、プロだからこそできる3回転半の3連発をやってみた。ものすごく緊張したし、試合なら目の前にジャッジの方がいるけど、今回は大勢のお客さま。『試されているな』って思いながら演じた」

-初披露の「いつか終わる夢」のコンセプトは

「この曲に振り付けしたいと考えていた時、皆さんが見たいと言ってくれた(優雅な動きの)クールダウンの動きにはまった。じゃあプログラムにしようと」

-今後の課題は

「やりたいこと、こうできたかな、と思うところはまだまだある。演技間のVTRの物語を伝えやすくする作業、自分が美とするものが伝わるようにする編集が大変だった。自分1人ではできなかったし、意思を尊重していただきながら、皆さんが心を1つに動いてくださった。普通のアーティストではないこと。アマチュア時代、誠心誠意やってきて頑張ってきてよかったと思えた。これからも皆さんと頑張っていきたい」

-(取材後、報道陣に対して自ら切り出し)

「皆さん、こんな感じでよかったですか? ふぅ(疲れた表情で笑いを誘い)ありがとうございます。明日もまた頑張ります!」