GPシリーズ第2戦スケートカナダで初出場優勝の渡辺倫果(20=法政大)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功した。現時点ではショートプログラム(SP)とフリーに1本ずつ投入するプランも明らかにした。

30分間の後半にトライを重ね、転倒や両足着氷などを重ねながら、徐々に精度が上がっていく。最後に1本、キレイに決めて締めくくった。練習後のコメントも「いつもだったら失敗して0%の状態から次は100%の状態に、ということができていたんですけど、今日は5%ずつ上げていって、最後に100(%)のアクセルができた印象。5%ずつ上げていきました」と説明。狙い通りの調整に充実感をにじませた。

一方、カナダ大会を制覇したことでGPファイナル(12月8~11日、イタリア・トリノ)出場が現実的に見えてきた。攻めるか、慎重にいくか難しい判断も迫られることになる。普段は3回転半をSP1本、フリー2本という練習は重ねているものの、ここはしっかりと考えを口にした。

「考え過ぎず、でも狙っていかないといけない。ショートが終わってみて(中庭)先生と相談ですが、ほぼほぼフリーは1本ずつの構成になるのかな。アクセルにこだわるのも大切ですが、こだわりすぎないことも大切。(フリーで)2本やるべき時とやらない時を見極めて、挑戦しながら挑戦しすぎず、やらないといけない。まずは明日から自分のやるべきことを1つ1つやっていけばいいんじゃないかな」

ショートプログラム(SP)の曲かけでは3回転半がステップアウト、3回転ルッツ-3回転トーループと3回転ループは決めた。

「もともとGPシリーズ自体(エントリー)0戦の状態から(樋口新葉の負傷欠場など)代理で2戦をいただけて。その1戦目のスケートカナダで優勝という形で、この場に来られたことは1つの自信にもなりますし、半面、プレッシャーだったり、ファイナルへ向けての、視野に入ってくるとなると、それなりの不安やプレッシャーは出てくると思うんですけど、でも、今までに感じたことのないプレッシャーを楽しみつつ今大会を終えることができればいいかな」

GPシリーズ各大会のメダリスト6人がそろい、ハイレベルとなった今大会。SPは18日、フリーは19日に実施される。【木下淳】