5年連続出場の母国GP戦。今年の味は格別だった。山本草太(22=中京大)が3年ぶりの自己ベストの96・49点で首位発進し、第3戦フランス杯の2位に続く表彰台、初優勝へ前進した。「点数はすごくうれしく思っています。今日の公式練習からしてみれば良かった」と納得した。

調子良く臨めたわけではない。朝の練習では、ミスもあった。そこから切り替えた。冒頭の4回転-3回転の2連続トーループ、続く4回転サルコーを決め、「イエスタデイ」のしっとりした曲調に身を委ねた。演技を終えると右手を掲げ、小刻みに振った。

16年に右足首を2度骨折し、3回の手術を受けた。3本のボルトが患部に入った状態で、着実に向上を続けてきた。今季からは体の動きを考え、演技直前にあえて4回転を跳ぶ調整法に変え、結果を残す。

地道に歩んできたからこそ、高望みはしない。ファイナルも近づくが、「僕はまだGPでは結果を残していない。考えすぎずに。自分がやるべきことを追い求め、明日もやっていけたらな」と掲げた。