12月のジュニアグランプリ(GP)ファイナル(8~11日、イタリア・トリノ)に出場する中村俊介(17=木下アカデミー)は、トリプルアクセル(3回転半)を決めるなどし、70.28点を記録した。SP3位に入り、翌27日のフリーに臨む。

研ぎ澄まされた表情で滑り始めた。冒頭の3回転半。高々と跳び、落ち着いて成功。3回転ループも余裕を持って決めた。その後のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプではオーバーターンとなり、ステップでも転倒があったが、高さのあるジャンプが際立った。

演技後は「アクセルとループはよかったですが、オーバーターンやステップでこけたところは悔しいです」と、淡々とした口調で振り返った。

今年はジュニアGPシリーズ第1戦フランス大会で、デビュー戦ながら初優勝。「世界大会でも通用する」と自信を得たが、10月下旬の西日本選手権では8位だった。フリー後のキスアンドクライでは、悔しそうに顔をしかめ、うなだれていた。

あれから約1カ月。この日も納得のいく演技とはいかなかったが、「アクセルとループを降りられたこと、アクセルがきっちりハマったことは、練習の成果が出ました」と控えめに胸を張った。

フリーでは、悔しさを晴らす。「絶対にリベンジします。まずは、今季降りられなかった4回転を降りること、そしてノーミスで滑ることです」。“絶対に”という部分にひときわ力を込め、明日を見据えた。【藤塚大輔】

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