過去2度の優勝経験があり、2年ぶり出場した紀平梨花(20=トヨタ自動車)が、60.43点をマークし、SP11位発進となった。

オーサーコーチと言葉を交わし、研ぎ澄まされた表情でリンクイン。赤色と黒色の衣装を身にまとい、冒頭のダブルアクセル(2回転半)を危なげなく着氷させた。続くコンビネーションジャンプは、3回転サルコー-2回転トーループとなったが、3本目の3回転ループは降りた。

フィニッシュ後には場内から拍手が送られたが、得点を知ると曇った表情を浮かべた。「今日の演技は、朝の練習やいつもに比べて、切れ味が出ていなかったです」。演技直後に、静かな口調で振り返った。

24日にはフリーが控える。「表彰台を目標に掲げていましたが、今の時点ではそういうのは考えないようにしようと思うので、まずはフリーの本番にベストで臨める体の状態へしたいです」。自分に言い聞かせるように、2日後を見据えた。

昨季は右足首の疲労骨折で競技会を全休。今季は患部の負担を考慮し、ジャンプを制限しながらグランプリ(GP)シリーズを転戦していた。

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