第102回全国高校ラグビー大会が、27日に開幕(大阪・花園)する。2大会ぶり12度目の出場となる東海大静岡翔洋は「シード校撃破」を目標に出陣。まずは、28日の1回戦で仙台育英(宮城)と対戦する。初戦で秋田工に敗れた2年前の悔しさを知るNO8名取稜太郎主将(3年)が、チームを勝利に導く活躍を誓った。

東海大静岡翔洋の名取が成長を示す。1年ながらレギュラーとして挑んだ2年前は、初戦で秋田工に0-68で完敗した。屈辱的な敗戦から2年。現在は、主将としてチームを束ねる存在に。当時からは、立場も背負う責任の重さも変わった。開幕を前に「ボールキャリー、コンタクトでチームを引っ張ってトライも取りにいく」と言い切った。

今年9月、J-GREEN堺(大阪)で行われた高校日本代表候補合宿に参加。2泊3日の日程で同年代のトッププレーヤーたちと汗を流した。「1人1人の意識、基礎レベルの高さが違った。すごく刺激になった」。練習ではハンドリングなどの基本から基準を上げ、雪辱を期す自身2度目の大舞台に備えてきた。

「甘えられない環境で挑戦したかった」と大阪の親元を離れ、翔洋に進んだ。地元で迎える集大成に熱も入る。さらに、弟の凛之輔(1年)も大阪桐蔭の一員として今大会に出場予定。「両親に成長した姿を見せたい。弟にも負けたくない」と言葉に力を込める。

これまでの県勢の最高成績は3回戦進出。チームが目標に掲げる「シード校撃破」を達成すれば、その歴史が変わる。名取は「歴史を塗り替えたい。そのためにも、まずは初戦。強みのFWで相手を圧倒して勝ちきりたい」と言った。その誓い通り、先頭に立って勝利への道を切り開く。【前田和哉】