過去5度優勝の目黒学院(東京第2)が“まさかの対戦”を制し、30日の2回戦に駒を進めた。前半8分にインターセプトしたCTB中村福己(2年)が先制トライ。前半で33-0と主導権を握ると、後半は8トライで25大会ぶり出場の勿来工(福島)を圧倒した。

約3週間前、驚きの出来事があった。組み合わせ抽選会が大阪で行われていた今月3日、両校を含めた数チームが福島のJヴィレッジで交流試合を行っていた。目黒学院の竹内圭介監督(45)は、勿来工の小松傑監督(37)と画面越しに抽選会の模様をチェック。すると、初戦での対戦が決まった。竹内監督は「『そんなことあるん?』と、ひっくり返りました」と思い返して苦笑い。交流試合で予定されていた両校の対戦も「やめようか」となったという。

迎えた聖地・花園での仕切り直しを制し、勿来工の思いも背負って次戦に向かう。相手はBシード大阪桐蔭(大阪第2)。竹内監督は「最初は緊張していたけれど、躍動感があった」と教え子の戦いぶりを評し、花園での年越しへ「体を張れるかどうか。意地のぶつかりあい。うちはチャレンジャー。思い切ってやるだけです」と誓った。【松本航】