Bシードの中部大春日丘(愛知)が、2大会ぶりの年越しを決めた。

192センチ、117キロの超高校級のサイズを誇る主将のロック物部耀太朗(3年)が3点リードの前半9分、敵陣中央のゴール前ラックから左サイドを突き、2人のタックルをはじき飛ばしてトライ。さらに同19分にはゴール前5メートル付近から再び物部がパスを受け、3人を引きずり2トライ目。直後の同23分には敵陣左中間の22メートル付近でオフロードパスをキャッチし、そのまま快足を飛ばして中央までボールを持ち運び、前半でハットトリックを決めた。

前半を31-0で折り返し、物部ら主力がベンチに下がった後半でも5つのトライを重ね、計9トライで64-0と名護(沖縄)を圧倒した。3トライの物部は「ここまで(トライを)取れるとは思ってなかったですけど、しっかり取り切ることができてよかった」と汗を拭った。

天国の亡き恩師に勝利を届けた。大会直前の12月中旬、チームのトレーニングコーチを務めていた野沢正臣さんが心筋梗塞のため急逝した。物部は「僕たちのウエートトレーニングを教えてくださった先生だったので、その思いを持ってこの花園に挑んでいます」。野沢さんからは「体も頭も大事だけど、最後は気持ち」と伝えられた言葉が印象に残っているという。

創部初となる悲願のベスト4まであと2勝だ。「ベスト4は絶対いきたい。まずはその壁を越えたい」と決意をにじませた。野沢さんに感謝の思いを届けるためにも、チーム一丸で勝利を目指す。【古財稜明】