高校3冠を狙うAシードの報徳学園(兵庫)が、前回大会王者を破って25大会ぶり2度目の4強入りを果たした。1万1500人の大観衆の前で、昨年の元日、3回戦で完封負けを喫した相手にリベンジを果たした。

強烈なアタックで相手を圧倒した。試合開始直後から相手FWの攻撃に対応しきれず2本のトライを献上したものの、徐々に本領を発揮。同17分にNO8石橋チューカ(3年)が、同30分にロック吉田健十(3年)がトライを決め、同点で折り返した。

後半も勢いは止まらない。相手に得点機を与えず2トライを追加。後半終了間際に自陣ゴール前でピンチを迎えたが、WTB海老沢琥珀(3年)がパスをインターセプトし、相手の追随を許さずに約90メートルを独走してトライ。この1本が勝利を決定づけた。

海老沢は「飛ばしてくると思ったので出たら、そのままきた。ハイリスクハイリターンの選択をした」と振り返る。一瞬の判断が、チームを助ける劇的プレーにつながった。

報徳学園にとって、準々決勝は鬼門だった。過去10大会で4回準々決勝に進んでいるが全敗。加えて、相手の東海大大阪仰星(大阪第3)には、花園で激突した対戦3度全てで30点以上もの大差をつけられて敗れていた。

それでも、西條裕朗監督(59)には不安はなかった。「(試合を)やってみて勝負できてるので楽しみだなと思っていた」。

春の選抜大会、夏の7人制大会を制した王者でありながら、チャレンジャー精神を持ち続ける。大きな相手を倒して自信を深めたチームは5日、史上4校目の3冠へ向けて準決勝の天理(奈良)戦に挑む。

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