今年5月の世界選手権(南アフリカ・ダーバン)女子シングルス代表の平野美宇(22=木下グループ)が、ストレート勝利で初戦を突破した。

前日25日に石川佳純(29=全農)との女子ダブルスを棄権すると発表した平野は、落ち着いた表情で試合に臨んだ。的確にコーナーを攻め、4-0で快勝発進。「自分でもびっくりするくらいの良いスタートが切れたと思います」とホッとした表情を浮かべた。

大会前から右足の甲に痛みを感じ、ダブルスの出場を取りやめた。検査の結果、骨などに異常はなかったものの「2種目に出る体力はなかったので大事をとって棄権しました」と説明した。

大会直前の決断となり、ペアの石川には申し訳なさを感じたが、7歳年上の先輩は「お互いシングルス頑張ろうね」と声をかけてくれたという。その言葉に感謝したうえで「シングルスで頑張って期待に応えたい」と意欲を口にした。

平野は昨年11月のパリオリンピック(五輪)第3回選考会で優勝。そこから約2カ月半は戦術の幅を広げることをテーマに据え、フォアハンドやフットワークを強化してきた。今大会もパリ五輪の選考を兼ねており「上位に食い込んで優勝を目指せるように1試合ずつ戦っていきたい」と真剣な瞳をたたえた。【藤塚大輔】

 

◆今大会で加算されるポイント数

1位=60点、2位=50点、3、4位=40点、5~8位=25点、16強=10点、32強=5点

◆大会前の選考ポイント上位8人

〈1位〉早田ひな(164点)

〈2位〉伊藤美誠(117・5点)

〈3位〉平野美宇(109点)

〈4位〉木原美悠(106点)

〈5位〉芝田沙季(102点)

〈6位〉長崎美柚(97点)

〈7位〉石川佳純(87点)

〈8位〉佐藤瞳(69点)