笑顔なき初の全米王者の称号となった。

史上初めて4回転半ジャンプを成功させたイリア・マリニン(18)は、ショートプログラム(SP)首位からのフリーでは177・38点。合計287・74点で2位以下を10点以上離しての初優勝となったが、その顔に笑みはなかった。

冒頭の4回転半で転倒する幕開けだった。「4回転の神」は続くフリップ、ルッツ、サルコーを決め、悪い流れを断ち切ったかにみえたが、後半のルッツが2回転に。さらにトーループも2回転になった。演技最後のジャンプでは3回転ルッツからトリプルアクセル(3回転半)につないだ後に3回転トーループを重ねる3連続をみせて非凡さを印象づけたが、演技を終えると首を横に振って険しい表情を見せた。

得点が掲示され、1位が決まっても喜びはなし。北京五輪王者のネーサン・チェンが6年間に渡って君臨してきた全米王者を継ぐ形になったが、納得には遠かった。

2位には復帰戦となったジェイソン・ブラウン(28)。SP2位からフリーでは4回転ジャンプは組み込まない中で177・06点まで積み上げ、合計277・31点とした。