卓球の24年パリオリンピック(五輪)代表選考レースは29日閉幕の全日本選手権で、前半戦の主要大会を終えた。昨年から来年の同選手権まで約2年にわたり、国内外の大会やTリーグなどを対象に加算される選考ポイント。女子は全日本3冠(シングルス、ダブルス、混合ダブルス)の早田ひな(22=日本生命)が独走態勢に入ったが、残り1年はポイントが高く、予断を許さない。五輪代表枠は3人。シングルス代表はポイント上位2人。残り1枠はその2人とダブルスが組め、団体戦のシングルスやダブルスで活躍が期待できる選手となる。

■早田ひな 224ポイント 全日本3冠、五輪選考会Vでスタートダッシュ成功

昨年3月の第1回五輪選考会で優勝し、スタートダッシュに成功。2位の木原に68点差をつけるが「どういう状況でも自分が100%じゃないと、選考レースを勝ち上がれない」。全日本選手権初の5連覇を飾った伊藤との女子ダブルスでも期待される。

■木原美悠 156ポイント 全日本準Vで2位浮上、大舞台も経験

全日本選手権準優勝で五輪圏内の2位に浮上。昨年の世界選手権団体戦に初出場し、大舞台の経験も積んだ。目標は「五輪に出場してメダルを取る」。14歳だった19年に史上最年少で全日本選手権決勝に進出。女子ダブルスは長崎美柚との「Wみゆう」。

■平野美宇 134ポイント 「もっと上位、優勝できる実力になって」

昨年11月の第3回五輪選考会優勝で上位に浮上。右足甲の痛みで女子ダブルスを棄権した全日本選手権でも8強でポイントを加算した。残り1年へ「2枠に入るためにはベスト8では厳しい。もっと上位、優勝できる実力になって戻ってきたい」と決意。

■伊藤美誠 127・5ポイント 全日本複V5も単で16強と2位から後退

全日本選手権16強で、大会前の2位から4位に後退。女子ダブルスは早田と史上初5連覇を決め「ダブルスの時はリラックスしている。シングルスでもそういう風にいければ」と理想を描く。昨年9月の第2回五輪選考会優勝。今季はTリーグに参戦中。

■石川佳純 127ポイント 「目の前の試合に全力」世界選手権も代表落ちの見通し

第3回五輪選考会で16強にとどまり、ポイントを伸ばせず。今年5月の世界選手権は代表落ちの見通しだ。全日本選手権は4強で5位浮上も「勝つこと、強くなることの本質を忘れず、目の前の試合に全力で取り組みたい」と五輪への過度な意識を排除。

■6位以下に長崎美柚、張本妹の美和ら

6位以下も昨秋の世界選手権団体戦銀メダルの長崎美柚(107点)、14歳の張本美和(67・5点)などが控える。従来は世界ランクに準じていたが、パリ五輪に向けては国内での戦いも重視されている。全日本選手権で伊藤を破り、4強で40点を獲得した大阪・四天王寺高3年の横井咲桜(さくら)も「まだまだチャンスがある」。