昨年の北京オリンピック(五輪)銀メダルで、連覇が懸かるロコ・ソラーレが東京都協会を下し、通算4勝1敗とした。

第1エンドで先制。一時は一点差となったが、前半戦は4-1とリードして折り返した。後半戦も着実に加点を続け、試合の主導権は最後まで譲らなかった。



 チーム    10
ロコ・ソラーレ
東京都協会


試合経過

第1エンド

ロコ・ソラーレの先攻。1点先取。

第2エンド

先攻のロコ・ソラーレがスチール成功。2-0とリード。

東京都協会戦、ストーンを投じるロコ・ソラーレの吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、ストーンを投じるロコ・ソラーレの吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、ロコ・ソラーレの吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、ロコ・ソラーレの吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、ロコ・ソラーレの藤沢五月(右)と吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、ロコ・ソラーレの藤沢五月(右)と吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、ストーンを投じるロコ・ソラーレの藤沢五月(C)JCA IDE
東京都協会戦、ストーンを投じるロコ・ソラーレの藤沢五月(C)JCA IDE
東京都協会戦、タッチを交わすロコ・ソラーレの藤沢五月(右)と吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、タッチを交わすロコ・ソラーレの藤沢五月(右)と吉田知那美(C)JCA IDE
東京都協会戦、ロコ・ソラーレの藤沢五月(C)JCA IDE
東京都協会戦、ロコ・ソラーレの藤沢五月(C)JCA IDE

第5エンド

ロコ・ソラーレがハウス中心近くに寄せるなどし2得点。

第6エンド

東京都協会が先攻。2点奪い1点差に迫る。

第9エンド

有利な形から2点奪い、相手を突き放す。


カーリングのルールと競技説明

カーリングのルールと競技説明
カーリングのルールと競技説明

カーリングのショット解説

カーリングのショット解説
カーリングのショット解説

■カーリングとは

氷上で「ストーン」と呼ばれる取っ手がついた円形の石を、約40メートル先の円(ハウス=半径1・83メートル)目がけて滑らせる。その円の中心により近づいたチームに得点が与えられる競技。2チーム(1チーム4人)の対抗で行われ、総合得点で勝敗を争う。高度な戦略が必要となることから「氷上のチェス」とも呼ばれている。

■競技の見どころ

「氷上のチェス」と言われるだけに、両チームのスキップ(4人目)の戦略や駆け引きが最大の見どころ。スイーパー(氷を履く人)に的確な指示を出してより精度の高いショットにするのはスキップの腕次第だ。また、ピンポイントで狙う高度なショットも魅力で、ハウス内のストーンの動きに注目すればより楽しめる。1回の攻守を「エンド」と呼び、10エンドまで行われる。第5エンド終了後には5分間のハーフタイムをはさみ、また1分間の作戦タイムなど随所に休憩を取ることができ、選手はその間に補食をとることが多い。

■ルールと競技方式

1チーム4人と補欠(リザーブ)で構成。各エンドでは2チームが交互に、1人2投ずつ行う。投げる順にリード→セカンド→サード→スキップ(司令塔)と呼ばれ、それぞれに役割がある。エンドごとに得点が決定し、10エンドの合計点で競い合う。同点の場合は延長戦を行う。

各エンド終了時に、ハウスの中心に一番近いストーンを投げたチームに得点の権利が与えられる。相手チームよりも中心に近いストーンが複数ある場合は、その数だけ得点が入る。得点の権利が得られなかったチームは必ず0点。

自チームのストーンの距離を伸ばしたり、方向を調整するために氷を掃く(スイーピング)ことができる。ブルームと呼ばれるブラシを使い、掃くことで氷上のツブを溶かしてストーンの滑りを良くする。「マイ・ブルーム」もある。スキップは相手チームのストーンをスイーピングできるが、ハウスの中央を横切るライン(ティーライン)より後ろでしかできない。

相手チームのストーンに自チームのストーンを当ててハウスからはじき出すことも可能だが、各チームのリードが投げ終わるまではフリーガードゾーンにあるストーンをプレーエリアから出してはいけない。

■道具

ストーンは直径約30センチ、重さ約20キロ。スコットランドのアルサクレイグ島の花こう岩でつくられる。1個約20万円。試合では会場で用意されたストーンを使い、「マイ・ストーン」は使えない。

シューズは右投げの場合、左の靴底はテフロンなどで滑るようになっていて、右の靴底には滑り止めの円状のくぼみが開いている。スイープの時は、滑らないように左の靴の上にスリッパのような形のグリッパーを履く。

■主なショット

【ドロー】 ストーンをカール(回転)させて円の中などにストーンを止めるショット。

【カム・アラウンド】 置かれているストーンの後ろに、軌道が曲線を描くように回り込んで止めるショット。前のストーンにガードされ、はじかれにくい。

【フリーズ】 円の中にあるストーンにピタリとつけるショット。ストーンがくっついていると、はじき出されにくい。

【ピール】 置かれているストーンに当てて、自分のストーンと当てたストーンの両方ともに円の外に出すショット。円の中に多くのストーンを残したくない時に使う。

【ヒット・アンド・ステイ】 置かれているストーンに当て、自分のストーンは、その場に止めるショット。

【ヒット・アンド・ロール】 置かれているストーンに当て、投げたストーンは、他の場所に動かして止めるショット。

【レイズ・テークアウト】 置かれているストーンに当て、そのストーンで、もう1つのストーンをはじき出すショット。投げたストーンと、最初に当てたストーンは円内に残す。

■主なかけ声

【ヤップ、イエス】 掃け

【ウォー、ノー】 掃くな

【オフ、アップ】 掃くのをやめろ

【ハード】 もっと一生懸命掃け

【ハリー】 掃全力で掃け

【クリーン】 軽く掃け

■歴史

16世紀にスコットランドで誕生したといわれる、世界で最も古い団体競技の1つ。放たれたストーンが、髪の毛が「カール」するようにゆっくりと回転することから「カーリング」という呼び名になった。五輪では、男子は1924年の第1回シャモニー大会で採用されたが廃止され、32年レークプラシッド大会以降は公開競技として行われていた。1998年長野大会から男女で正式種目となり、2018年平昌大会から混合ダブルスが加わった。日本勢は長野大会から連続で参加。18年平昌大会で女子のロコ・ソラーレが初メダルとなる銅メダルに輝いた。