レイカーズに移籍した八村塁(24)とネッツの渡辺雄太(28)による今季2度目、通算5度目の日本人対決が実現し、八村は16得点、渡辺は12得点を挙げた。直接対決の試合で日本選手がともに2桁得点をマークしたのはNBA史上初めて。移籍3試合目で初めて先発起用された八村は27分48秒をプレーし、ベンチスタートだった渡辺は21分21秒出場。両者はこの試合で12分2秒間、同時にコートに立った。試合はネッツが121-104で2連勝、レイカーズは2連敗となった。

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名門レイカーズのユニホームに身を包んだ八村と、強豪ネッツの渡辺がコートに並ぶ。第2クオーター(Q)が始まるタイミングだった。移籍3試合目で初先発の八村が、再びコートイン。第1Q終盤からプレーしていた渡辺とマッチアップした。ドリブルをする八村を渡辺がマークすれば、外角シュートを放とうとした渡辺の元に八村が突進し、手を伸ばして得点を防ごうとした。

八村は大黒柱レブロンらの欠場もあって回ってきた先発出場。こぼれ球をねじ込みチーム初得点を挙げるなど、序盤は積極的に攻めた。ただ得意のミドルシュートを続けて外し、渡辺との1対1でも突破を阻まれるなど次第に失速。「最初からアグレッシブにいこうと思ったけど、なかなかシューティングでリズムに乗れなかった」。万全ではなかったが移籍後最多16点をマークした。

渡辺は攻守で存在感を発揮。相手のシュートをブロックしたあと、すかさず3点シュートを沈めて“どや顔”を浮かべるシーンも。3試合ぶり2桁となる12得点を決めて勝利に貢献。「攻撃、守備でいい活躍ができた」。注目された八村との対戦については「周りはそう見るかもしれないが、チームの一員としてやっているので、気にしてない」とクールに話した。

15年の日本代表合宿で宮城・明成高(現仙台大明成高)3年だった八村と、ジョージワシントン大1年だった渡辺は初対面。その後、ゴンザガ大に進んだ八村はウィザーズからドラフト1巡目指名を受けるまで成長。今月から名門レイカーズでプレーする。渡辺も経験を積み、今季はリーグトップクラスの外角成功率を誇るなど、ネッツに欠かせない戦力となった。

2人は今夏、沖縄などで開催され、来年のパリ五輪出場権のかかるW杯に出場予定。まずは世界最高峰のNBAで、しのぎを削りながら実力を高め合っていく。