昨年の北京オリンピック(五輪)銀メダルで連覇が懸かるロコ・ソラーレが、前年準優勝の中部電力との首位直接対決を制し、通算5勝1敗で単独トップに立った。中部電力は4勝2敗。


ロコ・ソラーレ藤沢五月「転ばないように意識した」第6Eにはスーパーショットも

藤沢五月「麻里ちゃんと試合できる」"ロコ対ロコ"3日9時開始



チーム  10
中 部 電 力
ロコ・ソラーレ


◆メンバー

<中部電力>石郷岡葉純、鈴木みのり、中嶋星奈、北沢育恵 (リザーブ)松村千秋

<ロコ・ソラーレ>吉田夕梨花、鈴木夕湖、吉田知那美、藤沢五月 (リザーブ)石崎琴美


試合経過

第1エンド

ロコ・ソラーレが後攻。両チーム1投を残し、ロコ・ソラーレがNO・1、2。北沢はNO・1をはじき、ハウス中心に寄せる。藤沢はNO・1をはじき出すも1点止まり。

中部電力戦、ストーンを投げるロコ・ソラーレ吉田夕梨花(C)JCA IDE
中部電力戦、ストーンを投げるロコ・ソラーレ吉田夕梨花(C)JCA IDE

第2エンド

中部電力が後攻。スキップ2投を残し、中部電力がNO・1、2をキープ。藤沢の1投目はガードからハウス内の石を狙うも大きく動かせず。北沢はハウス内に残しNO・1~3を確保。藤沢の2投目はNO・2にヒットさせNO・1をはじき出し、NO・2を確保。北沢の最終投はNO・3を押し込み2点。

ロコ・ソラーレ戦、ストーンの行方を見る中部電力の中嶋星奈(C)JCA IDE
ロコ・ソラーレ戦、ストーンの行方を見る中部電力の中嶋星奈(C)JCA IDE

第3エンド

ロコ・ソラーレが後攻。序盤からハウス内に石が集まる展開。残り1投を残しロコ・ソラーレがNO・1も、NO・2~4まで中部電力。北沢は4点を狙うショットを放つが、NO・1は獲得できず。藤沢の最終投はNO・1を押し込む形となり1点のみ。

中部電力戦、ストーンを投げるロコ・ソラーレ鈴木夕湖(中央)(C)JCA IDE
中部電力戦、ストーンを投げるロコ・ソラーレ鈴木夕湖(中央)(C)JCA IDE

第4エンド

中部電力が後攻。残り1投を残し、ハウス内にはロコ・ソラーレのNO・1~3のみ。藤沢はNO・2を押し込み、NO・4まで確保。北沢のドローショットはわずかに長くなり、ロコ・ソラーレが2点をスチール

中部電力戦、指示を出すロコ・ソラーレ吉田知那美(C)JCA IDE
中部電力戦、指示を出すロコ・ソラーレ吉田知那美(C)JCA IDE

第5エンド

中部電力が後攻。残り1投を残し、ロコ・ソラーレがNO・1、中部電力がNO・2。藤沢の2投目はNO・2にフリーズするような位置に止まる。北沢は2点を狙うショットも1点止まり。

中部電力戦、作戦を練るロコ・ソラーレ藤沢五月(左)と吉田知那美(C)JCA IDE
中部電力戦、作戦を練るロコ・ソラーレ藤沢五月(左)と吉田知那美(C)JCA IDE

第6エンド

ロコ・ソラーレが後攻。残り1投を残し、中部電力がNO・1。ロコ・ソラーレがNO・2、3。北沢はNO・3をはじく。藤沢はハウス内の石からNO・1をはじくショットを決め2点。

中部電力戦、ストーンを投げるロコ・ソラーレ藤沢五月(C)JCA IDE
中部電力戦、ストーンを投げるロコ・ソラーレ藤沢五月(C)JCA IDE

第7エンド

中部電力が後攻。残り1投を残し、中部電力がNO・1、3。ロコ・ソラーレがNO・2、4。藤沢はNO・3をテークアウト。北沢はNO・2をヒット・アンド・ステイさせて2点。

ロコ・ソラーレ戦、ストーンの投げる中部電力の北沢育恵(C)JCA IDE
ロコ・ソラーレ戦、ストーンの投げる中部電力の北沢育恵(C)JCA IDE

第8エンド

ロコ・ソラーレが後攻。残り1投を残し、ハウス内にはロコ・ソラーレのNO・1のみ。北沢はヒット・アンド・ロールでガードの後ろを狙うも隠しきれず。藤沢はNO・1をはじき、自身の石もハウス外に出しブランクエンドに。

中部電力戦、ストーンの行方を追うロコ・ソラーレ藤沢五月(C)JCA IDE
中部電力戦、ストーンの行方を追うロコ・ソラーレ藤沢五月(C)JCA IDE

第9エンド

ロコ・ソラーレが後攻。残り1投を残し、ハウス内は中部電力のNO・1、2のみ。北沢はハウス内のセンターライン上にNO・1を置く。藤沢はNO・2をはじくもヒット・アンド・ステイとなり、中部電力が1点スチールで同点に追いつく

ロコ・ソラーレ戦、ハイタッチする中部電力の選手(C)JCA IDE
ロコ・ソラーレ戦、ハイタッチする中部電力の選手(C)JCA IDE

第10エンド

ロコ・ソラーレが後攻。ロコ・ソラーレのサード吉田知の1投目は、ガードとハウス内の中部電力の石3つをはじき出すトリプルテークアウト。スキップ2投を残し、ハウス内はロコ・ソラーレのNO・1、2のみ。北沢の1投目はガードの後ろに隠すようにNO・2。藤沢はそのNO・2を押し下げる。北沢の最終投はNO・1を押し下げてNO・1を確保。藤沢はそのNO・1をはじき出し2点。ロコ・ソラーレが1敗対決を制し、1次リーグ単独首位に立った

中部電力戦、笑顔を見せるロコ・ソラーレ吉田知那美(C)JCA IDE
中部電力戦、笑顔を見せるロコ・ソラーレ吉田知那美(C)JCA IDE

カーリングのルールと競技説明

カーリングのルールと競技説明
カーリングのルールと競技説明

カーリングのショット解説

カーリングのショット解説
カーリングのショット解説

■カーリングとは

氷上で「ストーン」と呼ばれる取っ手がついた円形の石を、約40メートル先の円(ハウス=半径1・83メートル)目がけて滑らせる。その円の中心により近づいたチームに得点が与えられる競技。2チーム(1チーム4人)の対抗で行われ、総合得点で勝敗を争う。高度な戦略が必要となることから「氷上のチェス」とも呼ばれている。

■競技の見どころ

「氷上のチェス」と言われるだけに、両チームのスキップ(4人目)の戦略や駆け引きが最大の見どころ。スイーパー(氷を掃く人)に的確な指示を出してより精度の高いショットにするのはスキップの腕次第だ。また、ピンポイントで狙う高度なショットも魅力で、ハウス内のストーンの動きに注目すればより楽しめる。1回の攻守を「エンド」と呼び、10エンドまで行われる。第5エンド終了後には5分間のハーフタイムをはさみ、また1分間の作戦タイムなど随所に休憩を取ることができ、選手はその間に補食をとることが多い。

■ルールと競技方式

1チーム4人と補欠(リザーブ)で構成。各エンドでは2チームが交互に、1人2投ずつ行う。投げる順にリード→セカンド→サード→スキップ(司令塔)と呼ばれ、それぞれに役割がある。エンドごとに得点が決定し、10エンドの合計点で競い合う。同点の場合は延長戦を行う。

各エンド終了時に、ハウスの中心に一番近いストーンを投げたチームに得点の権利が与えられる。相手チームよりも中心に近いストーンが複数ある場合は、その数だけ得点が入る。得点の権利が得られなかったチームは必ず0点。

自チームのストーンの距離を伸ばしたり、方向を調整するために氷を掃く(スイーピング)ことができる。ブルームと呼ばれるブラシを使い、掃くことで氷上のツブを溶かしてストーンの滑りを良くする。「マイ・ブルーム」もある。スキップは相手チームのストーンをスイーピングできるが、ハウスの中央を横切るライン(ティーライン)より後ろでしかできない。

相手チームのストーンに自チームのストーンを当ててハウスからはじき出すことも可能だが、各チームのリードが投げ終わるまではフリーガードゾーンにあるストーンをプレーエリアから出してはいけない。

■道具

ストーンは直径約30センチ、重さ約20キロ。スコットランドのアルサクレイグ島の花こう岩でつくられる。1個約20万円。試合では会場で用意されたストーンを使い、「マイ・ストーン」は使えない。

シューズは右投げの場合、左の靴底はテフロンなどで滑るようになっていて、右の靴底には滑り止めの円状のくぼみが開いている。スイープの時は、滑らないように左の靴の上にスリッパのような形のグリッパーを履く。

■主なショット

【ドロー】 ストーンをカール(回転)させて円の中などにストーンを止めるショット。

【カム・アラウンド】 置かれているストーンの後ろに、軌道が曲線を描くように回り込んで止めるショット。前のストーンにガードされ、はじかれにくい。

【フリーズ】 円の中にあるストーンにピタリとつけるショット。ストーンがくっついていると、はじき出されにくい。

【ピール】 置かれているストーンに当てて、自分のストーンと当てたストーンの両方ともに円の外に出すショット。円の中に多くのストーンを残したくない時に使う。

【ヒット・アンド・ステイ】 置かれているストーンに当て、自分のストーンは、その場に止めるショット。

【ヒット・アンド・ロール】 置かれているストーンに当て、投げたストーンは、他の場所に動かして止めるショット。

【レイズ・テークアウト】 置かれているストーンに当て、そのストーンで、もう1つのストーンをはじき出すショット。投げたストーンと、最初に当てたストーンは円内に残す。

■主なかけ声

【ヤップ、イエス】 掃け

【ウォー、ノー】 掃くな

【オフ、アップ】 掃くのをやめろ

【ハード】 もっと一生懸命掃け

【ハリー】 掃全力で掃け

【クリーン】 軽く掃け

■歴史

16世紀にスコットランドで誕生したといわれる、世界で最も古い団体競技の1つ。放たれたストーンが、髪の毛が「カール」するようにゆっくりと回転することから「カーリング」という呼び名になった。五輪では、男子は1924年の第1回シャモニー大会で採用されたが廃止され、32年レークプラシッド大会以降は公開競技として行われていた。1998年長野大会から男女で正式種目となり、2018年平昌大会から混合ダブルスが加わった。日本勢は長野大会から連続で参加。18年平昌大会で女子のロコ・ソラーレが初メダルとなる銅メダルに輝いた。