函館市出身のsteezyskee(スティーズィースキー)こと米沢北人(20)が、ブレイキン(ブレイクダンス)の国内NO・1を決める全日本選手権(2月18、19日、東京・代々木第2体育館)に、トップ選手が集まるオープン部門では北海道から唯一、出場する。5日に開催された前哨戦の15歳以上部門で優勝。勢いに乗って国内最高峰の大会で頂点を狙う。

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steezyskee(スティーズィースキー)こと米沢は静かに闘志を燃やしている。ブレイキンの北海道第一人者は全日本選手権で日本一を目指す。「どの大会でも自分のやりたい表現ができるかできないか。大事にしているのは音楽に乗せて自分を表現すること」。ベスト8だった19年の第1回大会以来の出場へ準備を整えている。

5日に開催された前哨戦「THE JAM FINAL By SEIKO」で、日本ダンススポーツ連盟の強化指定選手もいる、16人で争われた15歳以上部門で優勝を果たした。「頭もメンタリティもクリアにセットできていて、勝つという部分に貪欲じゃないから勝てた。シンプルに自分のやりたい踊りをピュアにできたなと思っている」と、今大会につながる大きなステップになった。

小学2年の時にダンスを始めた。函館商高時代には日本で16人しか出られない「Red Bull BC One Japan Cypher」にも出場するなど経験を積んできた。21年3月に高校卒業後、価値観を広げるために米国へ飛んだ。語学学校に通い、英語を学びながらダンスを磨いた。1年前に帰国。今は函館市内でアルバイトをしながら練習を続けている。

ブレイキンは24年パリオリンピック(五輪)の新種目に採用され、今注目を集めている。「70年代からあるブレイキンという文化、ダンスというものがステージを変えて、マイナーなものから、大衆なものに変わっていくと捉えている」。

23年度の強化選手選考会も兼ねた今大会で上位に入れば、国際大会に派遣される。複数の国際大会で獲得したポイントを踏まえて世界選手権代表が決まり、同選手権で優勝すればパリ五輪代表に内定する。日本のトップ級が集まる大会へ「僕の踊りを見て、小学生や中学生くらいの子たちがこれをやりたいと思ってくれたら最高です」。自分を貫き、最大限のパフォーマンス発揮に全力を注ぐ。【山崎純一】

■対戦形式 採点競技

◆ブレイキン(ブレイクダンス) 70年代に米国のストリートで人気になった若者文化がダンススポーツとして定着。「ブレイキン」と呼ばれる競技として、18年10月の夏季ユース五輪ブエノスアイレス大会で初採用。試合は1対1や2対2で左右に分かれ、音楽に合わせ即興でダンスを披露し合う。立って踊る「トップロック」、素早くステップする「フットワーク」、頭や肩など全身で跳ねたり回転する「パワームーブ」、一連の動きから体を制止させる「フリーズ」と4つの要素で技の難度に加え、音楽との調和性や創造性などの要素が評価対象となる判定競技。

■世界選手権Vが1号

◆パリ五輪への道 08年12月31日より前に生まれた選手が対象。出場枠は世界で男女16人ずつ、各国の上限は男女2人。最初の各1枠は9月の世界選手権(ベルギー・ルーバン)優勝者に与えられる。次にアジア(9月開幕の杭州アジア大会)や欧州など大陸選手権の覇者が各5人、五輪予選シリーズが各7人、開催国枠や世界ランク等で各3人が選ばれる。五輪予選シリーズに出られるのは世界ランク上位者のため、ワールドシリーズなど国際大会のポイント獲得が必要。本大会は24年8月9、10日に観光名所コンコルド広場で行われる。

◆steezyskee(スティーズィースキー)こと米沢北人(よねざわ・ほくと)2002年(平14)9月26日、函館市生まれ。函館中の沢小2年からスタジオ「Dance Space Rize」でダンスを始める。函館桔梗中3年時に「DREAM CUP2017」中学生部門で初優勝。18年の「BATTLE OF THE YEAR JAPAN」U-15で優勝。家族は両親。血液型A。趣味は音楽鑑賞。好きな食べ物はスープカレー。167センチ、52キロ。