アランマーレ秋田がシャンソン化粧品に53-81と大敗。上位8位までが臨めるプレーオフ(PO)進出争いから1歩後退した。凱旋(がいせん)試合となった一関学院(岩手)出身のニアン・ンディ・クンバ(24)が、今年最長14分間の出場で5得点、5リバウンドをマークした。

本気だからこそ、より悔しさが募った。高校3年間を過ごした思い出の地、一関市で大敗。クンバは試合後のセレモニーであいさつに立ったが、言葉につまり、なかなか話し出すことができなかった。応援に駆けつけた後輩らが見守る中、激励の拍手が湧き起こると、こう言葉を絞り出した。

「後輩たちにいいバスケットを見せたかった。明日も頑張って、リバウンドを取って、ゴール下のシュートもしっかり決めて、後輩にバスケットを頑張ってもらえるように頑張ります」

ケガのため、昨年11月のENEOS戦を最後にコートを離れ、復帰は1月の新潟戦。この日は今年最長14分間に出場し、成長した姿を見せた。

負けられない「東北4連戦」の初戦は、7選手で40分間を戦い抜いた相手の執念に屈した。小嶋裕二三ヘッドコーチ(55)は「プレーは悪くなかったが、あちらの『負けられない、負けたくない』気持ちと、こちらの勝ちたい気持ちがプレーの精度や球際の強さに出た」。得点源の3Pは29本中5本で成功率17・2%と低調。ディフェンスはインサイドを軸に攻められ、フリースローを24本も献上し、第3クオーター終了時には23点差がついた。

9位からの逆転POに向け、何としても連敗は阻止したい。東京医療保健大で同期だったパレイ・ルセアネヘイララ・紀子(23)と対戦した高野柚希(23)は「友達が頑張っているのをコートで感じられたので自分も頑張らなくては」と雪辱を誓った。来週11、12日のホーム・トヨタ紡織戦は今季最後のホーム戦。「秋田の皆さんにも勝利を見せられるように1試合1試合、しっかり戦いたい」。躍進のシーズンをこれで終わらせるわけにはいかない。【相沢孔志】