ショートプログラム(SP)首位で4大陸王者の三浦佳生(17=オリエンタルバイオ/目黒日大高)が、28年ぶりの快挙を飾った。

フリーもトップの179・63点を記録し、合計264・74点で初優勝。同じシーズンにシニアの4大陸選手権と世界ジュニア選手権を制すのは、同じ格付けの欧州選手権と世界ジュニア王者になった95年のイリア・クーリック(ロシア)以来となった。

2月の4大陸選手権(米コロラドスプリングズ)から調整し、結果を残した三浦は「4大陸から(日本に)帰ってきて2週間ないぐらいで、全然違うプログラムの内容で練習。時差ボケとかも、あちこちに行って帰ってきて、自分がどこの国にいるか分からない感じだった。気持ちをリラックスさせて、おいしい物を食べて過ごしていたら頑張れました」とほほえんだ。

ジュニアはSPで4回転ジャンプを組み込めず、さらに今季は3回転ループが課題で設けられている。そのため多くのジュニアのトップ選手が「トリプルアクセル(3回転半)」「3回転ルッツまたは3回転フリップ-3回転トーループ」「3回転ループ」の3種類でジャンプを構成。

メダリスト会見で三浦は「シニアは4回転ジャンプがショートから使えて、その点でショートから勢い良くみんな跳ぶ。その分、失敗のリスクも高いのがシニア。ジュニアはショートで制限がある分、みんなスタートのMAXが一緒なので、最初から完璧を求められる。違う緊張感がある」と分析した上で「僕はジュニアの方が嫌いです」と笑わせた。

今大会ではSPのフリップ-トーループの連続3回転でわずかな減点があったが、85・11点を記録して2位に4・55点差をつけた。

この日のフリーでは演技後半の4回転-3回転の連続トーループで17・78点を稼ぐなど、他の選手を圧倒。シニアより短くなったジュニアのフリーを完成度高く演じきり「後半に4-3(4回転-3回転)が跳べたので、そこはすごく大きかったかなと思います。『ショートの3回転-3回転より、きれいだったかな』と思います」と胸を張った。【松本航】