全国高校選抜ボクシング大会(21~24日、鹿児島・阿久根市総合体育館)で、男子ウエルター級・川村萌斗(開志学園3年=新学年)が2連覇を狙う。昨年は選抜、国体の2冠。最終学年の今年、昨年取れなかった全国高校総体も制しての年間3冠が目標。選抜連覇がそのスタートになる。

サウスポーの川村は鋭い右のジャブの後、間髪入れずに左ストレートを伸ばす。大会前の調整で切れのあるスパーリングを披露。「練習で自信をつけた。左だけでなく右も使える」。

昨年10月の国体を制したことで選抜は日本連盟推薦で出場。1、2月の県、北信越予選は免除となり、実戦は国体から遠ざかる。その分を2月の関東遠征で補った。東農大で昨年の全日本ライト級優勝者の大橋蓮と2日間スパーリング。「ついても離れても強い」と脱帽。同時に「右のボディーが強いからもっと使え」とアドバイスを受けた。試合以上の緊張感と刺激をもらった。

開志学園の野村孝志顧問(43)は「リードの使い方が良くなった」と言う。昨年の選抜はがむしゃらな接近戦だった。対策を打たれた全国総体は距離をつかめず準々決勝敗退。反省を生かし、距離感を意識した国体で再び頂点に。今年の選抜はインファイトとアウトボクシングの使い分けを身につけた。「3冠を取りたい。常に挑戦者の気持ちで」。足元を固め、まず選抜で頂点に立つ。【斎藤慎一郎】

◆川村萌斗(かわむら・もえと)2005年(平17)6月5日生まれ、村上市出身。ボクシングは5歳から村上ボクシングジムで始める。村上東中ではバスケットボール部に所属しながらボクシングに取り組む。中3時に全日本UJ県大会で優勝。178センチ。

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新潟県からは川村のほかに初出場の男女4人が出場する。女子ピン級の高木あい(開志学園)と同ライト級の野上優花(新潟南)は選抜は初だが、昨年の全日本女子ジュニア選手権に出場。ともに初戦敗退だった。高木は「打ち終わりにパンチをもらわないように」、野上も「接近戦を強化して1つでも勝ちたい」と全国初勝利を狙う。男子はミドル級設楽悠晃(巻総合)とウエルター級熊倉世光(新潟向陽)が初の全国舞台。熊倉は「足を使ってポイントで勝負したい」と話した。