6年ぶり出場の三原舞依(23=シスメックス)が、自己ベストに迫る73・46点をマークし、SP3位発進した。「心をマックスに込めました」と充実感をにじませた。

冒頭、幅のあるダブルアクセル(2回転半)を成功させると、続く3回転フリップも危なげなく決めた。3回転ルッツからの3回転トーループは4分の1回転不足となったが、しっかりと着氷させた。

「集中力の天才」ぶりを発揮し、演技後は両腕を突き上げて激しくガッツポーズ。そして、祈るように手を合わせると、感極まった。自国開催の会場からはスタンディングオベーションで迎えられた。自己ベストには約1点届かなかったもの、キス・アンド・クライでは笑顔でハートマークを作るなどご機嫌だった。

SP後の取材では、「今シーズン一番の緊張だった」と明かした。それでも、最後までしっかりと滑り切り、「今まで(コーチから)『人生すべてを込めて滑ってね』と言われて何回も何回も滑ってきたけど、今日が一番心をマックスで込めきれた」と、胸を張った。

今季はグランプリ(GP)シリーズ2連勝を飾り、上位6人が進んだファイナルでも初出場初優勝。体調不良で全ての競技会を欠場した3季前など、苦しい時期を乗り越えて、つかんだ6年ぶりの世界選手権代表切符だ。「パーフェクトなフリーをしたい。力強いところは力強く、優しいところは優しく、プログラムの中で強い女性を演じきりたい」と、引き締めていた。

坂本花織、三原舞依、渡辺倫果が出場/世界選手権女子SP詳細