28日に閉幕した卓球の世界選手権(南アフリカ・ダーバン)で女子シングルス8強に入った伊藤美誠(22=スターツ)が、友でありライバルの存在からパワーをもらった。

帰国から一夜明けた31日、都内で取材に対応。同選手権では女子ダブルスを組んだ早田ひな(22=日本生命)が、シングルス準々決勝で王芸迪(中国)に4-3で勝利。銅メダルに輝いた。

幼い頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきた同い年の躍進に、伊藤は「早田選手が中国人選手に勝ってくれて『私も可能性がある』と思わせてくれた瞬間でした。半分半分ぐらいの気持ちで『早田選手だからこそ、うれしい』って思える部分もあるし『早田選手だから悔しい』という気持ちもあります」と正直な心境を明かした。

自身も臀部(でんぶ)の痛みに悩まされながら8強入りし、24年パリ五輪(オリンピック)シングルス代表選考レースで大会前の7番手から3番手に急浮上した。

大会中は競技終了後の夜に、自身の部屋で早田と15分ほど話す機会があったという。

「試合のことに関しては普段からあんまり話さない。お菓子を食べました。『昔は元気だったよね。何時まででも起きていられたよね』とか。小さい時はみんなで集まってお菓子を食べたり、女子トークをしたり。12時を過ぎるとか全然いけたけれど、(今は)寝ちゃう。久しぶりに部屋の行き来をして楽しかったです」

次の照準はパリ五輪代表選考ポイントの対象となるTリーグ個人戦「NOJIMA CUP」(6月17~18日、東洋大赤羽台キャンパス)となる。心身を整えて、先へ進む。【松本航】