フィギュアスケート男子で、22年北京オリンピック(五輪)銀メダルの鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が、新シーズンへの決意を示した。24日、都内の家電量販店「ノジマ」でトークショー&一日店長のイベントに登場。店員の制服姿で現れ、ファンにサイン入り色紙やオリジナルの名刺などを手渡した。

22年7月から同社とスポンサー契約を結んでおり、この日は自身初のトークショーを開催。「あまりしゃべるのは得意ではない」と苦笑しつつ、オフシーズンや思い出のプログラムなどを明かした。

左足首の故障から復活を期す来季へ、オフには米ロサンゼルスやイタリアで技を磨いた。「イタリアへはフリーのブラッシュアップで行ったんですけど、自然や街並みがキレイで、どこを切り取っても絵になった。アメリカもリンクの環境が整っていて、たくさん練習ができた。ほんとにいい時間を過ごせました」。イタリアでは好物のピザやパスタを堪能。満面の笑みで「幸せを感じながら食べました」と回顧した。

5月5日には20歳の誕生日も迎えた。ノジマからはパナソニック社のドライヤーをプレゼントされたと明かし「最近は美容に気をつけている」と告白。「見ての通り」と黒髪をなびかせると、会場は笑いに包まれた。

明るい表情を浮かべつつ、話題の中心は演技のことへ。来季はショートプログラム(SP)とフリーともに、今季と同じ曲目で臨む。特に表現力の向上に力を入れてきた。イタリアでは、ローリー・ニコルさんに新たな振り付けを教わり「だいぶ振り付けも変わったので、変化した部分を楽しんでいただけたらと思います。海外へ行って、表現も前シーズン(22-23年シーズン)より手応えが高まっています」と自信を口にした。

「表現」というフレーズは、ほかの話題へ移った時にも発せられた。思い出のプログラムとして、19-20年シーズンのSP曲「宿命」とフリー曲「タッカー」を挙げた場面。その中で「今やったら、良い意味で全然違うプログラムになる。ここ数年で表現の幅や技術が上がってきているので」と理由を添えた。「表情や動きの細かな変化」を高めてきた自信が、その言葉にもにじんでいた。

30分ほどのトークショーは、来季への誓いで締めくくった。

「来シーズンはとにかくたくさんの試合に出て、元気いっぱいの姿を見せたいなと思います。その上で、自分が成長していく姿を見ていただけたらいいなって思います」

新たなシーズンへ。進歩した姿を、リンクで表現する。