ラグビー「リーグワン」の花園近鉄ライナーズの向井昭吾新ヘッドコーチ(HC、61)が、“ダンディーなオトコ”のチームにする理想を掲げた。

10日、東大阪市花園ラグビー場で就任会見し「ライナーズといえばオトコ。スマートなオトコに変えていきたい。ダンディーで知的なオトコにする。それを勝って証明する」と所信表明した。

ラグビーにはタックルやスクラムなど「痛い」「キツイ」という独特の泥臭さがあり、その中でも「知的さ」「賢さ」という冷静な判断力を植えつける考えだ。

90年代後半には「PからGO」の戦術で東芝府中を日本選手権3連覇に導き、日本代表監督も務めた経験を持つ。

花園は昨季、1勝15敗でリーグ最下位。得失点差はマイナス557と守備が崩壊状態に陥り、入れ替え戦の末に1部残留を決めた。

向井HCは「下というのは上を見るしかない。100数十ものトライをされて、守備レベルは1番下。差を絶対に埋めると、選手自身がならないといけない。(上位チームも)みんな頑張っているので、1じゃなく、8くらい頑張らないと近づけない」とまずは危機感を植えつける。

オーストラリア代表SOクーパーらは残留する一方で、中心選手の日本代表WTBフィフィタがトヨタに移籍。若手育成が必要で、同HCは「日本代表を多く輩出する」と言い切った。

率いていたコカ・コーラが21年に事実上の廃部となり「トップで指揮を執ることはもうないだろうと思っていた」という。

昨季最下位からの巻き返しへ。経験ある向井HCが、古豪復活への期待を託された。