ホンダ・レーシングは17日、オートバイのアジアロードレース選手権に参戦中の埜口遥希(のぐち・はるき)さんが16日に死去したことを発表した。22歳だった。

埜口さんは、13日にインドネシアで開催された同選手権第4戦、決勝レース2回目の4周目に発生した多重クラッシュにより重症を負い、現地の病院で治療を受けていた。現地時間16日午後5時40分に亡くなった。

埜口さんは、奈良県出身で、立命館大に在学。5歳からキッズバイクに乗り始め、20年からは全日本ロードレース選手権ST600クラスに参戦。翌21年に王座を獲得した。

昨年からはアジア選手権のASB1000クラスにステップアップして、同年ランキング2位に入った。今季も開幕戦で2勝を挙げて第3戦終了時点でランキング2位につけていた。

今月6日に決勝が行われた鈴鹿8時間耐久ロードレースでは「SDG Honda Racing」の一員として代役で参戦し、2位に入っていた。

鈴鹿8耐の表彰式では「この週からチームに合流したにもかかわらず、3スティント(走行の区分)を任せてもらえた。名越選手、浦本選手に教えてもらって無事こなせた。途中、雨が降ったが、その中で順位を上げていけたのはいい経験。引き続きアジア選手権でも頑張っていきたい」と喜びを語ったばかりだった。

ホンダ・レーシングの渡辺康治社長は「鈴鹿8耐では見事な走りで表彰台に上がり、素晴らしい笑顔を見せてくれたばかり。まだ22歳とこれからの活躍が楽しみだった中での逝去が本当に残念でなりません」とコメントを発表した。