世界ランキング5位の日本が、17年以来3大会ぶりとなる10度目の優勝を果たした。

決勝で同10位のイランと対戦。3-0(25-20、25-18、25-18)のストレート勝ちでアジアの頂点に返り咲いた。ブブゼラが鳴り響く完全アウェーの雰囲気の中、相手に付け入る隙を与えなかった。

第1セット、石川祐希、西田有志、高橋藍、山内晶大、小野寺太志、関田誠大、山本智大と、前日のカタール戦と同じスタメンとなった。西田のスパイクなどでリードを取ったが、3連続失点など逆転を許す。それでもすかさず山内の速攻で同点に追い付くと、高橋藍のスパイク、小野寺のアタックなど4続ポイントで逆転に成功。その後も効果的に得点を重ねた。最後は山内のサービスエースが決まり、25-20でセットカウントを先取した。

第2セットは守備でプレッシャーをかけてサーブミスを誘い、序盤から優位に立った。中盤に高橋藍がサービスエースを決めて流れを完全に引き寄せると、石川もブロックを決めて大量リード。西田もサービスエースを決めるなど好調。緩急を織り交ぜたバックアタックも決め、勢いづけた。最後は山内がクイックを決め、25-18で連取した。

優勝に王手をかけた第3セット、序盤からサイドアウトの応酬となったが山内のサーブからブレークに成功した。さらに西田、小野寺が連続ブロックを決めてリードを奪取。中盤には石川の連続ブロックや小野寺のサービスエースが飛び出した。終盤には西田の豪快なスパイク、高橋藍のサービスエースが決まるなど大量リード。危なげなく得点を重ね、最後は相手のスパイクがアウトになり、25-18で勝利を収めた。

日本開催だった前回大会の決勝でストレート負けを喫したライバルに、敵地で雪辱を果たした。

復調の西田は「自分が代表に入ってアジア選手権を取ったことないので素直にうれしい気持ち。やっと戻ってきたという感覚。より磨きをかけてOQTでいいパフォーマンスを出せるようにしたい」とコメント。

石川は「全員がピークを持ってこられたのはチームとして成長したと思う。味わったことのない会場の雰囲気や環境だったが最後に一番いいパフォーマンスを持ってこられたのは評価できる。やるべきことをやって目標にしていたことを達成したのでうれしい気持ちはあるが、ここがゴールではない。絶対にオリンピックの切符を取ることが今シーズンの最大の目標なのでそこに向かっていい1カ月を過ごしたい」と前を見据えた。 

男子代表の主要メンバーは今大会後、国内合宿を経て、9月30日に初戦を迎えるパリ五輪切符がかかるワールドカップ(W杯)バレー(東京・代々木第1体育館)に臨む予定だ。

 

【男子日本代表メンバー】

◆セッター 

関田誠大(29=ジェイテクト)、山本龍(22=ブカレスト)

◆オポジット 

西田有志(23=パナソニック)、宮浦健人(24=パリ)

◆アウトサイドヒッター 

石川祐希(27=ミラノ)、大塚達宣(22=パナソニック)、高橋藍(21=モンツァ)、甲斐優斗(19=専大)

◆ミドルブロッカー 

小野寺太志(27=サントリー)、山内晶大(29=パナソニック)、高橋健太郎(28=東レ)、エバデダンラリー(23=パナソニック)

◆リベロ 

小川智大(27=名古屋)、山本智大(28=パナソニック)