【北京=藤塚大輔】2連覇がかかる男子の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が公式練習に臨んだ。「びっくりするぐらいできて、びっくりしてます。日本、全然あんな良くなかったんで」と本人も驚く好調ぶり。

ショートプログラム(SP)での曲かけ練習では、4回転フリップ、4回転-3回転トーループ、トリプルアクセル(3回転半)ともに高さも十分で、着氷も乱れなし。

「ステファン(・ランビエル・コーチ)に『なんだろう?』って聞いたら、『氷なのか、あなた自身なのか』って言われて。『両方じゃない?』って言われたんですけど。わからないことを深く考えても仕方ないので。明日どうなるかっていうのと、あとは守りに入らないこと」と見定めた。根拠のなさを歓迎するわけではないが、成功にこだわらずに試合を迎える。

そのジャンプでは11月のNHK杯では自身の手応えとは異なり、4回転ジャンプで回転不足の判定が続いた。ジャッジ批判ではないと強調した上で、素直な胸中を述べていた。この日、判定を受けて変えた部分があるか問われると、「特に変えた練習はしていなくて」と返答。「僕の中でNHK杯の演技は、いい演技だと思っているので。多分僕が回転不足を取られてしまったから、どういう感じで伝わってるかわからないですけれども、僕はNHK杯での演技が素晴らしいものとして見ていただけるように、今後も同じ演技をしたい」と掲げた。

「割と皆さんが思ってるほど僕はもう全然気にしてなくて」とも伝えた。「採点もつけてもらう上で僕たちがやるっていうので成り立ってる競技でもありますし。『なんでだろう?』って思う原因とか理由が知りたい、どういうジャンプがオッケーなのかとかいうのはありましたけど。まあ、わかんないですし。教えられたとしても、多分直せはしないので。回転不足で自分がモチベーションがなくなってとかだったら潔く身を引きますし。今はこのファイナルに向けて練習してきたことが出せればいいなって思ってます」と説明した。

男子SPは7日に行われる。