【北京=藤塚大輔】男子で2位となった宇野昌磨(25=トヨタ自動車)がフリーから一夜明け、優勝したイリア・マリニン(19=米国)に対し「今年いっぱいは戦える存在として頑張ります」と自身の立ち位置を示した。

ショートプログラム(SP)2位でフリーを迎えた宇野は、トリプルアクセル(3回転半)が1回転になるミスがありながらも、191・32点で今季自己ベストとなる合計297・34点をマーク。それでも4回転ジャンプ6本を跳んだマリニンとは17・32点差をつけられ「1強になることは間違いない。マリニン君自身が(競技を)やっていて、つまらなくなるレベルで1強になるかもしれない」とうなずいた。

今季の宇野は表現力の向上に力を入れているが「競技として戦いに必要なのはジャンプ。ジャンプのスキルで彼にかなう人はもう下手したら数十年いないと思うぐらい飛躍しすぎている」と成長ぶりにも目を見張った。

ただ、6歳年下のジャンパーの活躍は「やりがいがあります」と歓迎する。かつて22年北京五輪王者のネイサン・チェン(米国)が自身のモチベーションを保っていたことに触れたうえで「僕も(マリニンを)追いかける立場になったつもりはないですし、ちゃんと一緒に引っ張っていければ」と切磋琢磨(せっさたくま)できる存在であることを切望した。

GPファイナルの連覇とはならなかったが、今季は世界選手権の3連覇が懸かる。「来年(来季)は勝てない」と苦笑しながらも「今年は頑張ります。ラストチャンス!」と笑顔。「まずは全日本」とし、今月末の全日本選手権(21~24日、長野)へ視線を向けた。

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