バスケットボール男子日本代表のトム・ホーバス監督(56)が30日、都内で講演を行った。

B&G財団主催の講演会で、マリンスポーツをはじめとする各競技の指導者を前に、司会者との対談形式でスピーチ。「選手が自分の力を信じ、チームを信じるようになることが大事」と説いた。

自身に関するさまざまなエピソードも披露した。現役時代に実業団のトヨタ自動車に所属していたときは、海外マーケティングに関する部署で働き、満員電車に乗って通勤。朝から夕方まで仕事をこなしたあと、再び電車に乗って練習場に向かう日々だったという。「バスケットをうまくなりたいし、仕事も挑戦したい。日本語もうまくなりたい。大変だったけれど、いい思い出」と笑った。

引退後に帰米してサンディエゴで暮らした際には、米連邦捜査局(FBI)の採用試験を受けた。採用寸前まで運んだものの、直後に発生したニューヨーク同時多発テロの影響により、結局は採用が見送られたという。

「言葉の魔術師」の異名を取る指揮官は、この日も巧みな話術で聴衆を引きつけた。