51歳の葛西紀明(土屋ホーム)が合計224・4点で逆転で制した。優勝は22年1月30日雪印メグミルク杯以来2シーズンぶりで、50代になってからは初。1回目125メートルで4位につけ、2回目130・5メートルで順位をひっくり返した。衰え知らずのレジェンドは、4季ぶり予選突破を目指すW杯札幌大会(17日開幕)に向けて調子を上げている。

「やったー! よっしゃー!」。優勝が決まった瞬間、葛西がガッツポーズしながら叫んだ。小林陵侑ら海外遠征メンバーは不在も、国内主力選手が参戦。2回目を飛び終えた時点で逆転でトップに立ち、残り3人は次々とK点手前に着地した。表彰台の中央は2年ぶり。「やっと戻って来ました」と笑顔いっぱいで、大きな優勝杯を突き上げた。

1回目の飛躍順は最後。現在の国内ランキングがトップであることを意味する。久しぶりのラストジャンパーに「緊張してちょっと失敗しちゃいました」。多少ミスをしてもK点越え。調子の良さを実感する。「狙っていた」という優勝を、見事手にしてみせた。

1月20、21日のコンチネンタル杯3連戦で、2試合で日本勢トップの成績を出したが、所属先のスロベニア人コーチ、ズパン氏から飛び出し時の膝の沈み過ぎを指摘されて、すぐに修正。2日の公式練習から好感触だった。1カ月で5キロの減量にも成功し、「今日はばっちり」と心身ともに自信を持って臨んだ。

W杯札幌大会への参戦が決まっている。予選突破で自身が持つギネス世界記録の通算569試合出場を更新する。周囲の高まる期待を感じているが、視線の先はただ本戦出場するだけではなく、世界トップが集結する中で30位以内に入ってW杯ポイントを獲得すること。海外遠征メンバーに返り咲き、好きな数字にちなんで、かねて目標に掲げているW杯600試合出場を達成するためだ。優勝後、報道陣に「どうよ」と、ドヤ顔を決めたちゃめっ気と闘争心にあふれた51歳。日本中、世界中にハッピーな驚きを与え続ける。【保坂果那】

 

○…女子は岩佐明香(27=大林組)が1回目2位から逆転優勝し、国内3連勝を挙げた。2回目は伊藤有希が持つジャンプ台記録にあと50メートルに迫る140メートルの大飛躍を披露。何とか着地し、得点を重ねた。「どんどん高く上がっていって、いつもなら落下していく感覚だったので、怖かった」と、風に乗り距離を伸ばした。